ラオス財政安定化支援〜共同政策研究・対話プログラム〜最終報告会を開催「JICA」

ラオス財政安定化支援〜共同政策研究・対話プログラム〜最終報告会を開催「JICA」

最終報告会の様子 LAO PLAZA HOTEL

 2020年1月7日、JICAは、ラオス・ビエンチャン(LAO PLAZA HOTEL)で、ラオスの財政安定化共同政策研究・対話プログラムの最終報告会を開催し、提言及び報告書の発表を行った。

 「ラオス財政安定化共同政策研究・対話プログラム」最終報告会には、竹若駐ラオス日本大使らが冒頭で挨拶し、JICAを代表して宮城東南アジア第二課長が全体総括を行った。ラオス政府関係者やIMF、ADB等から約60名が参加「債務の罠」への懸念も高まる中、共同研究メンバーを代表し、西澤利郎・東京大学公共政策大学院教授から、同国の財政安定化に向けた7つの提言を発表した。また、2000年初頭にJICAがラオスで実施した「経済政策支援」で日本側研究者としてプロジェクトを率いラオスとの関わりも深い、原洋之介・政策研究大学院大学名誉教授も議論に加わった。

7つの提言の内容
1.公共財政管理とガバナンスの強化
2.徴税の執行徹底と納税者の裾野拡大
3.財政支出の効率化と受益範囲の最大化
4.実効性のある公的債務管理の実践
5.偶発債務に伴うリスクの最小化
6.金融システムが十分に機能するために必要な制度基盤の整備
7.財政関連統計の有効活用を可能とする制度改善

 ソムディ・ドゥアンディ副首相兼財務大臣からは、JICAやこのプログラムに携わった日本人研究者、日本政府への感謝の意が伝えられた。また、7つの提言の内容についても好意的に受け止められ、次期国家社会経済開発5カ年計画(2021〜2025年)への反映や具体的な対策を含め、トンルン首相に報告し相談すると述べ、提言内容の着実な実施に向けた日本による継続支援への期待が寄せられた。

 このプログラムは、NIER、財務省、中央銀行などのラオス側の関係省庁のメンバーと、日本側メンバーである大学教授、JICA専門家などと4つのワーキンググループ(WG)を形成し実施されたもので、各WGではそれぞれのトピックについて、本分野で活動するIMFや世銀などの主なドナーとともとに方向性を確認し、課題やその解決に必要な取り組みについて調査、分析、議論を行い、報告書をまとめ、最終的にラオス政府へ財政安定化のための提言を提出する。この提言はラオス政府の中期的な開発計画である、第9国家社会経済開発計画(2021-2025)に反映され、中長期的なラオス政府の財政安定化の取り組みに貢献するもの。

 ラオスの経済状況は、洪水や日照りなどの影響があるものの、2019年のGDP成長率は6.4%と引き続き堅調となっている。インフレ率については、国内通貨安、洪水の影響による農産物価格高騰などにより2019年10月時点で5.34%と上昇傾向(2018年平均は約2%)。公的対外債務残高は2018末時点でGDPの51.4%(約93億ドル)となっており、内43%(約40億ドル)が中国からの借り入れ。2019年8月に公表されたIMF4条協議レポートでは、ラオスの債務持続性は「ハイリスク」評価とされており、ラオス政府は財政安定化に向けて歳入強化歳出抑制策を講じ、2020年に財政赤字をGDP比3.76%まで縮小を目指している(2017年は5.3%)。JICAは、「公共投資計画管理改善プロジェクト」「税務能力向上プロジェクト」などを通じて、ラオス政府の財政安定化に向けた取り組みを支援している。
【編集:UH】

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