【ミャンマー】クーデター政権が任命の区長 認めないと市民が抗議

【ミャンマー】クーデター政権が任命の区長 認めないと市民が抗議

新しい区長に反対するため、ヤンゴンのインセイン群区のある区事務所で待ち構える市民(撮影:リンニャントゥン)

 2021年3月4日、クーデターによって政権を掌握したミャンマー国軍が、住民レベルの行政をつかさどる区長の入れ替えを進め、住民の反発を受けている。

 ミャンマーの区長は、地域の数千人を担当する日本の町内会長に似た役割の公務員で、各種届出の際に承認が必要となるなど住民生活に密接に関連している。現在、住民は町や道路といった数十戸から数百戸小さい単位で自警団を結成して警察に対抗するなど、草の根レベルの運動を続けており、多くの区長もこの行動に賛同しているとされる。このことから、区長の首をすげかえることで、国軍側は住民をコントロールする狙いとみられる。

 2月24日の夕方には、ヤンゴンのインセイン郡区で、数百人の市民が区の事務所前に集まり、国軍側が任命した新区長を認めないとして抗議を行った。運動に参加した市民の1人は「わたしたちが選挙で選んだのは政府が任命した人ではないから、区長とは認めない」と渋い表情で語った。市民らは、新区長の到着を待ち受け「軍の区長はいらない」と叫び声をあげた。

 また、ヤンゴンの別の多くの区の区長も更迭され、新しい区長が任命されたことで、住民の反対運動がおこっている。バズンダウン郡区の住民は、「国軍の選んだ区長は認めない。しかし私たちが抵抗したら、軍人が区の事務所に来て住民台帳を押収していった。何に使われるのか不安だ」と話していた。

 2月1日にクーデターを起こした国軍は、部外者を家に泊める場合は、区長に報告することが必要とするなど、住民の管理強化を進めている。区長は管理のかなめとなることから、国軍に従順な区長を配置し、住民の運動を内部から統制しようとしているとみられる。
【取材/執筆:リンニャントゥン・北角裕樹】

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