駐日大使起用に反対くすぶる=市長時代の人種対応問題視―米

駐日大使起用に反対くすぶる=市長時代の人種対応問題視―米

ラーム・エマニュエル前シカゴ市長=2016年1月、ワシントン(AFP時事)

 【ワシントン時事】バイデン米大統領が検討するラーム・エマニュエル前シカゴ市長(61)の駐日大使起用に対し、与党民主党左派などに反対論がくすぶっている。市長時代の人種問題への対応に批判があり、要職にふさわしくないという理由からだ。

 「有色人種のコミュニティーを軽蔑し、警官の暴力で家族を失った人々を冷淡に無視してきた」。エマニュエル氏が市長時代にシカゴ市警の暴力の犠牲となった黒人の遺族ら28人は10日、駐日大使起用に反対する声明を発表した。

 エマニュエル氏は2011〜19年まで2期8年市長を務めた。特に批判があるのは14年秋に市警が17歳の黒人少年ラクアン・マクドナルドさんを射殺した事件をめぐり、裁判所に命じられるまで無抵抗の被害者を映したビデオ映像を1年余り公開しなかったことだ。

 これについてエマニュエル氏は「裁判が終わるまで公開しない慣行だった」と反論してきた。しかし、再選が懸かった15年市長選挙への影響を恐れ、隠蔽(いんぺい)を図ったと遺族らは訴えている。

 駐日大使人事の報道をめぐって、民主党の急進左派からは「殺人を隠蔽した者に大使職で報いることは、黒人の命を尊重する価値観と相いれない」(ボウマン下院議員)と強い批判が起こった。

 オバマ元大統領の大統領首席補佐官だったエマニュエル氏は外交経験こそないものの、バイデン氏とのパイプ役としての期待は日本政府に強い。ただ、反対運動によるイメージ悪化は避けられず、上院の過半数の賛成が必要な人事承認には不透明感も漂い始めている。 【時事通信社】

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