「異例の失速」挽回なるか=労働規制緩和、正念場へ−仏大統領就任3カ月

「異例の失速」挽回なるか=労働規制緩和、正念場へ−仏大統領就任3カ月

マクロン仏大統領=3日、モワソン(AFP=時事)

 【パリ時事】フランスのマクロン大統領(39)が就任してから14日で3カ月。6月の国民議会(下院)選で予想を上回る大勝を収めて政権基盤を固めたが、その後は閣僚の不祥事や緊縮的な政策が批判を浴び、勢いが陰りがちだ。今月下旬からは一部の労働組合が強く反発する労働規制緩和の交渉が本格化し、政権運営は正念場を迎える。
 調査会社エラブが3日発表したマクロン大統領の支持率は、40%と就任直後から5ポイント下落した。就任3カ月後の支持率としては、サルコジ元大統領の66%や任期後半に大きく評判を落としたオランド前大統領の56%も下回り、新聞には「異例の失速」(フィガロ紙)の見出しが躍る。
 背景には、政権発足から1カ月で、利益供与疑惑が浮上したフェラン国土整備相(当時)ら4閣僚を相次ぎ更迭した人事の失敗がある。7月には、住宅手当や地方助成金の減額をはじめとする不人気な政策を打ち出した。国防費の削減に反発した軍トップのドビリエ統合参謀総長が抗議の辞任に踏み切る一幕もあり、大統領の強引な印象が強まった。
 マクロン氏は4〜5月の大統領選で、経済成長を加速するため、周辺各国よりも手厚いとされる労働者保護を見直す労働規制緩和を公約。企業が従業員を解雇する際の要件緩和が焦点となる見込みで、労使双方との交渉が今月下旬から大詰めを迎える見通しだ。一部の労組は9月に抗議行動を呼び掛け、議論の行方次第では混乱が予想される。
 難局を乗り切るには世論の支持が欠かせない。ルモンド紙によると、マクロン大統領は今月上旬、エリゼ宮(大統領府)で複数の与党幹部と会食。「あなたたちの誇るべき成果をもっと朝のニュースで見たい」と語り掛け、政権の取り組みを幅広い有権者にアピールするよう指示した。