寺院土地争い、ヒンズー勝訴=イスラムと対立激化も―インド最高裁判決

寺院土地争い、ヒンズー勝訴=イスラムと対立激化も―インド最高裁判決

インド北部アヨディヤの聖地にヒンズー教寺院を建設するよう要求する過激派=2018年12月、ニューデリー(AFP時事)

 【ニューデリー時事】インド最高裁は9日、多数派ヒンズー教徒と少数派イスラム教徒の対立激化の一因となってきた北部アヨディヤの宗教施設の土地をめぐる訴訟で、イスラム教徒に代わりの土地を与えるよう命じ、ヒンズー教徒側勝訴の判決を言い渡した。ヒンズー至上主義を掲げるモディ首相は2014年の総選挙で、聖地とされるこの土地にヒンズー教寺院を建設すると公約していた。

 イスラム教徒の反発は必至だ。02年にはこの問題に関連し、ヒンズー教徒の乗った列車が放火され、55人が死亡する事件が起き、全国的な対立に発展した。今回も衝突が懸念されている。

 問題の土地は、ヒンズー教のラーマ神の生誕地とされる。16世紀に当時のムガール帝国の下で建てられたモスク(イスラム礼拝所)が1992年にヒンズー過激派に破壊されたことをきっかけにインド各地で暴動が起き、約2000人が死亡した。

 最高裁は判決で「(92年の)モスクの破壊は違法だ」と批判。一方、土地の所有権はヒンズー教徒側にあると認定し、土地は政府が新たに寺院を建てるための信託機関に譲渡されると判断した。イスラム教徒にはモスク建設のための代替地が与えられる。

 モディ首相はツイッターに「意見の相違について表明する十分な時間と機会が与えられた。判決は国民の司法への信頼をさらに高めるだろう」と投稿し、判決を評価した。一方で「平和的共存を目指すインド人固有」の姿勢を示し、平静を保つよう国民に呼び掛けた。首都ニューデリーなどの公立学校は9日、混乱に巻き込まれることを避けるため休校となった。 【時事通信社】