同盟に亀裂、創設70年に影=3日から首脳会議―NATO

同盟に亀裂、創設70年に影=3日から首脳会議―NATO

トランプ米大統領=25日、ホワイトハウス(EPA時事)

 【ブリュッセル時事】北大西洋条約機構(NATO)は12月3、4の両日、英ロンドンで首脳会議を開く。創設70年を記念し、最初の本部が置かれた英国で加盟29カ国の今後の結束を確認する狙いだ。ただ、加盟国間の亀裂はこれまで以上に深まっており、祝賀ムードに影を落としている。

 NATOでは、負担の偏りに不満を唱えるトランプ大統領が繰り返し欧州を非難。負担増を迫るなど米欧間の結束は近年大きく揺らいでいる。

 欧州内のあつれきも表面化している。フランスのマクロン大統領は英誌のインタビューで、シリア情勢をめぐる米国やトルコとの戦略連携の欠如などを踏まえ、NATOは「脳死」状態だと批判。同盟の戦略見直しや欧州の軍事的自立を訴えたが、ドイツのメルケル首相のほか、ロシアへの警戒感を強めるポーランドのモラウィエツキ首相など欧州各国から異論や批判が相次ぎ、物議を醸している。

 マクロン氏が発言を撤回しない姿勢を示すと、29日にはトルコのエルドアン大統領が「まず自分が脳死かどうか確認せよ」と挑発。仏政府は「侮辱だ」と反発し泥仕合の様相を呈している。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は29日の会見で「NATOの強みは常に不一致を乗り越えてきたことだ」と強調したが、首脳同士の直接協議で溝が埋まるかは見通せない。独仏はそれぞれ、NATO改革検討の枠組みを提案する構えも見せている。

 首脳会議ではシリア情勢も焦点となるが、北部侵攻を正当化するトルコと他国の立場の開きは大きく協議難航は必至だ。

 このほか会議では、欧州で急速に影響力を高める中国の脅威についても議論。米ロ間の中距離核戦力(INF)全廃条約失効後の対ロシア戦略も重要な検討課題となる。 【時事通信社】