正恩氏、強硬路線に転換も=交渉期限控え、対米批判強める

正恩氏、強硬路線に転換も=交渉期限控え、対米批判強める

北朝鮮北部・白頭山の革命戦跡地を視察する金正恩朝鮮労働党委員長=日時不明、朝鮮中央通信が4日に配信(朝鮮通信・時事)

 【ソウル時事】北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉で、北朝鮮が期限とする年末を控え、米国に譲歩を迫る姿勢を強めている。北朝鮮は3日、朝鮮労働党中央委員会総会を今月下旬に開く方針を発表。昨年4月の党中央委総会では核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の中止を決定したが、こうした方針を覆し、強硬路線に転じる可能性もある。

 米朝は10月、ストックホルム近郊で非核化に向けた実務協議を開催。米側は制裁の一部凍結を提案したとされるが、北朝鮮が「決裂」を主張し、協議再開の気配はない。年末が近づき、北朝鮮は制裁解除を含む敵視政策の撤回や米韓軍事演習の中止に言及し、米側の歩み寄りを繰り返し求めている。

 韓国の情報機関・国家情報院は11月末、北西部・東倉里のミサイル発射場で活発化する車両の動きなどを衛星画像で捉えたと明らかにした。北朝鮮が衛星打ち上げ名目で長距離弾道ミサイルを発射するとの見方がくすぶる。北朝鮮は求めに応じない米国への揺さぶりを図っているもようだ。

 金正恩党委員長は昨年、核開発一辺倒の姿勢から対話路線に転換し、「後ろ盾」の中国と関係改善を果たした。こうした状況を背景に、核実験やICBM発射の再開も示唆して、北朝鮮政策を外交実績に挙げるトランプ米政権に対し強気の姿勢で譲歩を迫る。

 党機関紙・労働新聞(電子版)は4日、正恩氏が北部・白頭山の革命戦跡地を訪れ、「帝国主義者の圧力の中、革命の伝統教育を強化する社会的雰囲気をつくる」と語ったと報じた。

 制裁長期化も念頭に、国際社会の圧力に屈しない姿勢を国内に示したとみられる。また、期限までに交渉が進展せず、米国との緊張が高まる事態に備え、体制引き締めを図った可能性もある。 【時事通信社】