米仏反目、トルコが火に油=NATO、覆い隠せぬ不協和音

米仏反目、トルコが火に油=NATO、覆い隠せぬ不協和音

3日、ロンドンで北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長(左)と会談するトランプ米大統領(AFP時事)

 【ロンドン時事】北大西洋条約機構(NATO)創設70年を記念する首脳会議は、米仏両国の反目に加え、トルコが対立の火に油を注ぐ構図となり、内部対立が改めて浮き彫りになった。トランプ米大統領は折に触れ、「NATOはより強固になっている」と強調。しかし内部の不協和音は覆い隠せず、結束の揺らぎが危険水準に達していることを印象付けた。

 「極めて不快」「侮辱的」「無礼」。トランプ氏は3日、ストルテンベルグNATO事務総長との会談冒頭、マクロン仏大統領がNATOを「脳死」状態と評したことの感想を問われ、辛辣(しんらつ)な言葉を並べ立てた。

 その後に行われたマクロン氏との直接会談の場では、面と向かって批判することを避けた。だが、さらなる国防支出の増加を要求するトランプ氏に対し、マクロン氏は「NATOはお金だけの同盟ではない。NATOの土台がどうあるべきかをはっきり示す必要がある」と反論。同盟が進むべき道をめぐり、両者に根本的な見解の違いがあることが鮮明になった。

 その「ずれ」は、ロシアに接近するトルコをめぐる問題であらわになった。マクロン氏は、NATO加盟国であるにもかかわらず、ロシア製地対空ミサイルS400を調達したと指摘。さらに、シリアにおける過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦で共闘したクルド人勢力をテロ組織に認定するようNATOに要求していると批判し、トルコがNATOにとどまることの正当性に疑問を呈した。

 トルコのエルドアン大統領は、マクロン氏の「脳死」発言を逆手に取り、「まず自身が脳死かどうか確認せよ」と突っかかった経緯がある。トランプ氏は記者団からトルコについて問われ、「非常に良い関係にある」とエルドアン大統領を擁護し、マクロン氏とは距離を置いた。 【時事通信社】