「大統領の権力乱用」糾弾=下院委が報告書、弾劾へ詰め―米ウクライナ疑惑

 【ワシントン時事】トランプ米大統領のウクライナ疑惑で、下院情報特別委員会は3日、権力乱用と調査妨害の証拠は「圧倒的」だとしてトランプ氏を糾弾する報告書を公表した。野党民主党が支配する下院は、報告書を根拠に弾劾訴追状を起草。世論が二分される中、月内を目指す弾劾訴追に向けた詰めの作業を急ぐ。

 報告書は、来年秋の大統領選で「最も恐れる政敵」であるバイデン前副大統領のスキャンダル捜査をウクライナ大統領に表明させようと、トランプ氏が軍事支援やホワイトハウス招待を「見返り」に圧力をかけたと認定。「説明責任を放棄し、再選を確実にするために公権力を総動員すると決意した大統領」と厳しい言葉でトランプ氏を非難した。

 報告書の大半は、2カ月に及んだ高官らの聴取に基づくものだが、トランプ氏の顧問弁護士ジュリアーニ氏がホワイトハウスと頻繁に連絡を取り合ったことを示す電話会社の記録を新たに提示した。トランプ氏が最近、ジュリアーニ氏に「(工作を)指示していない」と述べ、責任を回避していることを念頭に、ジュリアーニ氏と政権の緊密な協調を示す狙いだ。

 報告書は、政権が一切の内部文書の提供を拒み、ボルトン前大統領補佐官らキーマンの証言を阻んでいることについて「前例のない調査妨害キャンペーンを展開した」と批判した。

 事実解明を一通り終え、4日からは下院司法委員会に舞台を移して弾劾訴追状取りまとめの段階に入る。トランプ氏の権力乱用とともに、議会への調査妨害が訴追根拠の軸になる見通しだ。

 一方、各種世論調査によると、トランプ氏の「弾劾・罷免支持」は9月の弾劾調査開始以来、47〜50%で推移し、党派で二分された状況に変わりはない。ホワイトハウスのグリシャム大統領報道官は声明で「地下室に引きこもったブロガーの雑文を読んでいるようだ」と報告書を一蹴し、対決姿勢を鮮明にした。 【時事通信社】