財政赤字、1兆ドル超回避=「非国防」削減へ―米予算教書

 【ワシントン時事】トランプ米政権は10日、2021会計年度(20年10月〜21年9月)の予算教書を議会に提出する。米メディアによると、国防予算は前年並みを要求する一方、対外援助費など非国防を削減。財政赤字の1兆ドル(約110兆円)超えを回避する方向だ。

 予算教書は政権が議会に示す予算編成方針。トランプ政権1期目としては最後となる。予算編成権は議会にあるため、再選を前提とした事実上の公約となる。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)によると、予算規模は4兆8000億ドル。政策予算に当たる「裁量的経費」では国防費が7405億ドル。24年の月面再到達を目指し、航空宇宙局(NASA)向けに重点配分を求めた。

 半面、対外援助費や環境政策を担う環境保護局(EPA)予算はともに2割強削減。トランプ大統領がこだわるメキシコ国境の壁建設費は20億ドルと、前年度の50億ドルから要求額を大きく減らした。ただ20年度に続いて国防費から転用する異例の手段を講じ、予算を確保する考えだ。

 低所得者向けの社会保障費や年金を含む「義務的経費」も削る。しかし、財政健全化は進まず、3%程度の高い成長率が続くことを前提としても、35年まで赤字が続くとみている。

 トランプ政権下で実現した大型減税などで財政は急速に悪化し、連邦政府債務は23兆ドルを突破している。だが11月の大統領選再選をにらんでばらまきになりがちだ。 【時事通信社】