新型肺炎支援で日本称賛=「尖閣」は変化なし―中国

新型肺炎支援で日本称賛=「尖閣」は変化なし―中国

「がんばれ武漢」と書かれた垂れ幕が並ぶ大阪・道頓堀の街頭の写真を掲載した12日付の中国紙・環球時報の1面

 【北京時事】新型コロナウイルスによる肺炎の感染が広がる中国で、日本の支援を称賛するムードが高まっている。日本との関係を重視する習近平指導部の意向を反映しているが、沖縄県・尖閣諸島周辺での中国公船の活動が収まる兆しは見えない。

 国営新華社通信は11日、日本からの支援物資の箱に「山川異域 風月同天(場所は違っても、同じ自然を共有している)」という漢詩の一節が書かれていたことを紹介し、「無数の人々の琴線に触れた」とたたえた。この詩は奈良時代に天武天皇の孫、長屋王が唐の僧、鑑真を日本に招く際に贈ったとされる。新華社は2月以降、再三にわたり、この一節について「深く心を打つ」などと報じている。

 12日付の共産党機関紙・人民日報も、日本語と中国語で「がんばれ武漢」と書かれた垂れ幕が並ぶ大阪・道頓堀の街頭の写真と共に「日本の各界はさまざまな形で中国を励ましている」と報道。同紙系の環球時報は同じ写真を一面に載せた。支援を呼び掛ける日本の政治家の発言や日本国内の募金活動もネットで注目されている。

 日本称賛ムードは純粋な謝意だけでなく、「習近平国家主席の国賓訪日に向けた環境整備」(日本政府関係者)の意味合いもありそうだ。4月上旬で調整している習氏の訪日は感染拡大で実現を危ぶむ見方が強まっているが、日中関係筋は「訪日実現まで今のような雰囲気が続くだろう」と予想する。

 しかし、日本側の対中感情悪化の大きな原因である尖閣問題で中国側の対応に変化はない。中国海警局の公船は連日、尖閣周辺の接続水域を航行し、今月5日と13日に領海侵犯した。北京の大学教授は「どんなに関係が改善しても、主権に関わる問題で習指導部は譲歩しない」と指摘する。 【時事通信社】