レバノン内閣総辞職=大爆発で引責、反政府デモ拡大

 レバノンのディアブ首相は10日、内閣総辞職を発表した。アウン大統領はこれを受け入れ、同首相に対して新内閣発足までの間、暫定的に政権運営を担うよう指示した。首都ベイルートでは8日以降、港湾地区で4日に起きた大規模爆発を受けた反政府デモが続いた。ただ、爆発の原因究明が進まない中、総辞職の発表後もデモは収束せず、情勢は一段と深刻化している。

 ディアブ氏は演説で「爆発の責任追及を求め、真の変化を願う人々の意思に従う」と表明した。ディアブ内閣は腐敗撲滅や経済危機脱却を目指し、今年1月に発足したが、成果を上げることはできなかった。

 爆発をめぐり、政府は原因究明のため港湾関係者を拘束、軟禁する措置を取った。しかし、ロイター通信によると、治安当局が遅くとも7月の時点で首相と大統領に対して爆発の危険性を警告していたことが判明。政府指導部の怠慢が惨事につながった可能性が濃厚になっている。

 爆発を招いた大量の化学物質は、6年間にわたって港湾地区の倉庫に放置されていた。デモ隊は放置を許した「腐敗体質の政府の刷新」を要求しており、人心一新を図れる後継内閣発足のめどが立つまで抗議行動を辞さない構えだ。

 爆発による死者は約160人に達し、負傷者は6000人を超えた。数十人がなお行方不明で、30万人が家を失ったとされる。ベイルート中心部で8、9両日、数千人規模のデモが行われ、10日も続いた。8日はデモ隊が政府庁舎などを一時占拠する事態となり、警官隊との衝突で700人以上が負傷、警官1人が死亡した。 【時事通信社】