米大統領選で見えてくるグローバル化の衰退 中国が最大の破壊者

【新唐人2016年10月14日】
2016年11月8日の米大統領選挙投票日が迫るなか、報道の焦点はトランプ氏のゴシップに集中しています。この現象はマスメディアの衰退を物語るもので、すでに第1次世界大戦前の水準にまで堕していると言えます。世界全体の情勢を把握し、選挙の結果がもたらす影響を分析できる本物の記者とコラムニストは皆無で、人の目を引くセンセーショナルな話題ばかり取り上げて報道し、民意を操っています。マスコミが煽り立てるゴシップの部分を切り離して考えた時、今回の米大統領選はグローバル化の衰退を象徴しているという本質が浮き彫りになります。これは、中国と世界の関係にとって非常に重要な部分でもあります。

グローバル化の概念は漠然としたものです。貿易、軍事、金融、文化などの面で国と国との境が曖昧になるため、「地球村」だと言う人もいます。なかでも最も肝心なのは、世界政府、世界銀行、世界貿易の3つの部分です。グローバル化の反対は本土化です。本土化の重点は自国の貿易の保護であり、すなわち自国に有利な関税率を得ることです。2016年はこれまで世界の潮流になりつつあったグローバル化に大きな変化が現れた年でした。イギリスがEU離脱を決定し、欧米の政治家はTPPとTTIPへの加盟に反対し、ヨーロッパでは難民排斥が起きました。

グローバル化の弊害は2012年の米大統領選の時にすでに現れていました。当時、米国のメディアは、米国の大手企業の利益は増え続けているものの、雇用が減少していると報道しました。オバマ大統領は製造業を米国に引き戻すと誓いましたが、四年が経った今、その約束は果たされていないままです。今回の米大統領選で、ヒラリー、トランプ両氏とも米国人の雇用機会を取り戻すと主張していますが、トランプ氏はただグローバル化に反対すると表明したに過ぎず、ヒラリー氏はグローバル化の仕組みのまま福祉政策によって雇用問題を解決しようとしています。

2016年の大統領選では1つ面白い現象が起きています。ヒラリー氏とトランプ氏が互いを攻撃し合う際、いつも問題が中国政府に飛び火するのです。その理由は非常に明確で、中国政府がグローバル化の最大の破壊者であるからです。中国は、WTOに加盟する際に合意した関税ルールを無視し、履行していません。米政府は、中国政府が米国製自動車に対して課した反ダンピング関税はルール違反であるとして、WTOに提訴し勝利しましたが、中国をWTOから排除することはできません。つまり、訴訟に勝っても意味がないのです。オバマ大統領は仕方なくTPP構想を立ち上げましたが、中国に対して何の規制もできません。

また、人民元が国際通貨基金(IMF)の理事会で、特別引き出し権(SDR)の構成通貨として認められましたが、SDRとして採用されるには条件があります。それは、その通貨が自由に使用できる通貨であることです。しかし、前回お話した通り、日本企業とドイツ銀行の資金が中国から持ち出せない問題に関しては、国際通貨基金は何の役にも立ちません。中国共産党という世界のヤクザは、世界のルールを破ることに何の躊躇もありません。各国の政治家達が自国を守ろうとするのは理解できますが、グローバル化の衰退は避けられないことも自然の流れです。今年の米大統領選では、この重要な問題について米国がどのような役割を果たすべきか議論されなければならないのに、結局マスコミによって陳腐なゴシップ合戦にさせられてしまいました。

中国は、2008年以前は中国人の安価な労働力によって利益を得てきましたが、2008年以降は人民元のレートの管理と紙幣発行に頼ってきました。グローバル化は中国政府の生命線です。グローバル化の衰退は生存環境を萎縮させることであり、中国は今、明日が見えない状態に陥っています。しかし、ここで注目したい問題があります。共産党の「全人類を解放し国家を消滅させる」という思想と、世界各国の政府と銀行が持つ概念が非常に似ているということです。この互いの関係については、今後述べていきたいと考えています。

新唐人テレビがお伝えしました。

(翻訳/小松 映像編集/李)