大学教授が抗議の辞表「現行の教育は教師と学生の尊厳を踏みにじっている」

【新唐人2017年5月31日】
武漢大学ジャーナリズム学科の学部長が24日、辞表をインターネット上で公開しました。学部長は現在の高等教育機関の官僚化によって、教育は理解されず、教師と学生の尊厳は踏みにじられ、絶望していると批判しました。

武漢大学ジャーナリズム学科学部長の夏瓊(か けい)教授はWeChat(ウィーチャット、微信)で辞表を公開しました。辞表には「12年間にわたりジャーナリズム学科学部長を務めてきたが、自分にできることは何もなく、また何ら貢献もできなかったため辞職したい」と綴っています。

辞職の本当の原因は「疲れ、嫌気がさし、絶望した」からとし、官僚的な現在の高等教育の現場では「教育を理解せず、教学を尊重せず、教師の尊厳を踏みにじり、学生の知能を侮辱している」と痛烈に批判しました。

元北京大学経済学部助教授の夏業良(か ぎょうりょう)氏は、高等教育の官僚化はかなり前から中国にはびこっていると指摘します。

元北京大学経済学部助教授 夏業良氏:「教師の上席には教育研究室の責任者、学科責任者、学部責任者がいて、教師は自身の授業や研究を行うほかに、これら指導者らの権威を示すための会議にもしょっちゅう出席しなければなりません。学科の責任者を兼任する教師はさらに多忙です。こうした官僚的な会議に取られる時間と労力は相当のものがあります。」

中国の高等教育機関における官僚化は2つの側面があると考えられます。

まず第一に学校内部の官僚化とは、役人が学校を運営しているのであり、教師が学校を運営しているのではありません。共産党幹部が学校を運営しているのです。

元北京大学経済学部助教授 夏業良氏:「大学の経営権と財政権、そして最も重要な人事権のすべてを校内の共産党委員会書記が一手に握っています。」

そして第二は外部による運営であり、大学を中国共産党の運営システムのネットワークに組み込んでいる点です。大学は政府の一部署のように官職が分かれており、共産党の教育政策に沿った学校経営を行うシステムになっています。これは教育の独立性を侵害しています。


元北京大学経済学部助教授 夏業良氏:「すべての教育は共産党化教育と化しています。これは非常の恐ろしいことです。高等教育機関は本来学問を追究し真理を追究する場所ですが、共産主義の政治イデオロギーによってそれが侵害されています。この国と国民には新しいものを作る能力はなく、希望もないのです。」

近年、中国の高等教育機関では真面目に学問をおさめた教師が学術的な資源や自身の待遇について改善を求めても、校内の役人にはかなわないことに、多くの人が批判の声を上げています。金銭至上主義の社会的風潮のもと、かつて大学を覆っていた学問を求める雰囲気も薄れています。そして官僚化した大学では政府のあらゆる問題、裏口入学などの腐敗や学術研究の盗用といった問題が現れています。

2010年、政府は大学内の官職を徐々になくす方針を定めましたが、7年経った今もほとんど効果がありません。

元北京大学経済学部助教授 夏業良氏:「銭学森(著名な科学者)は10年前に、なぜ中華民国時代には多くの偉大な学者がいたのに今の中国にはいないのか、と問いました。その答えは実は誰もが知っています。中国共産党のイデオロギー支配が終わらないかぎり、中国の大学は魂を抜き取られたままであり、一党独裁を支えるための教育手段でしかないということを。」

新唐人テレビがお伝えしました。               

(翻訳/白白 ナレーター/佐藤 映像編集/李)