中国返還20周年 香港人はアイデンティティー喪失

【新唐人2017年6月26日】
香港が中国に返還されてから20年を迎えようとしています。最新の世論調査では、自分を「広義の中国人」と思う香港の若者は3.1%と97年の返還以来最低となりました。次期香港行政長官の林鄭月娥(りんてい げつが)は子供の頃から中国人意識を培わなければならないと発言し、物議を醸しています。

6月21日に香港大学が発表した世論調査の結果によると、回答者1004人の香港市民のうち自分を「広義の中国人(中国人或いは香港の中国人)」だと思うと答えたのは約35%あり、前回の調査よりも1%上昇し、「広義の香港人(香港人や中国の香港人)だと思うと答えたのは63%で前回とほぼ同じでした。

しかし、18歳から29歳の若者では「広義の中国人」だと思うと答えたのは3.1%で前回の13.3%から10%も急激に減少し、返還以降最低となりました。93.7%が「広義の香港人」だと思うと答え、前回よりも10%増で、返還時の1997年の68%を大幅に上回りました。

調査を行った香港大学の鐘庭耀(しょう ていよう)氏はフェイズブックで、「(中国への)回帰20周年を目前に市民の『香港人』としてのアイデンティティーは7.7点、6年来最低となっている。『中華民族の一員』に関しては10年来最低で、アイデンティティーの喪失が始まっている」と指摘しました。

香港の社会運動家 厳さん:「中国当局による独裁、一国二制度の破壊が行われているため、香港市民は中国大陸に対して抵抗と拒絶を感じています。政府は私達は中国人だと強調し続けています。植民地時代にも毎日イギリス国家を歌う必要はなかったのに。香港人は抵抗を感じています。」

香港の社会運動家、厳さんは、この世論調査の結果は、中国政府の高官は妻子を外国に住まわせているのに愛国を吹聴するのに対して、香港人が強い欺瞞と不満を感じていることの表れだと指摘します。

香港の社会運動家 厳さん:「多くの香港人は自分を華人だと認識していると思いますが、中国共産党が定義する中華人民共和国の人間になることは嫌がっています。暴政を受け入れず、共産党に自分のアイデンティティーを定義されたくないのです。」

香港立法会教育界の議員、葉建源(よう けんげん)氏は、大部分の香港人は自分を中国人だと認識しているものの、中国当局の制限によって香港の政治が悪化しているため、意識が薄くなっていると考えます。

次期香港行政長官の林鄭月娥は20日、新華社の取材に対し、「香港独立」は発展し得ないと述べ、中国の歴史を中学の必修科目にし、国家を知る校外活動を実施するなどして、子供の段階から中国人としての国民意識を養わなければならないと述べました。この発言は物議を醸しています。

香港立法会教育界の議員、葉建源氏:「押しつけでない生徒の自分の考えを尊重する国民アイデンティティー教育ならよいですが、洗脳教育は我々の教育原則にもとるやり方です。その目的は子供が大人の要求するとおりの考え方をするように仕向けるもので、子供の独立した思想を養うものではありません。」

2012年、香港で国民教育科目に反対する運動が起こり、7月29日には「万人大デモ行進」が行われました。

葉建源氏は、この運動は香港人の洗脳教育に対する反感と抗議の表れだと言います。洗脳教育を推進しようとすれば香港人は認めず、もしも国民教育を推進するならば中国について良いことも悪いことも紹介するべきで、香港の教師は教育の原則を守るべきだと葉氏は考えます。

香港の社会運動家 厳さん:「幼児期から洗脳教育が実施されれば、子供たちに学校で教えていることは嘘だと教えます。私達親は子供が洗脳されないよう保護する責任があります。子供も馬鹿ではないので、情報が自由に発達した今の社会ではネット規制もありませんし、学校の教育は洗脳だと気づくでしょう。香港ではこの手は通用しません。」

香港紙『明報』は「私は中国人」と暗記する必要はない、とする社説を掲載しました。

新唐人テレビがお伝えしました。               

(翻訳/白白 映像編集/李)