インターポール掌握、イヴァンカ夫妻籠絡…中国・世界制覇の野望に日本はどう対応するのか?

インターポール掌握、イヴァンカ夫妻籠絡…中国・世界制覇の野望に日本はどう対応するのか?

「中国に立ち向かうには、彼らが持ちえないものを武器にしなければばらない」と語るモーリー氏

ヒップホップが政府によって“抹殺”された――。どこの独裁国の話かと思えば、これは今や超大国となった中国の話。背後には、もはや隠し切れない「世界制覇」への野望が……!

『週刊プレイボーイ』本誌で「モーリー・ロバートソンの挑発的ニッポン革命計画」を連載中の国際ジャーナリスト、モーリー・ロバートソンが前編に続き語る!

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トランプ米大統領の娘婿であるジャレッド・クシュナー大統領上級顧問が、中国の手に絡め取られている――。今年1月21日、アメリカの老舗メディア『New Yorker』にそんな内容の長文記事が掲載されました。こうした指摘は以前からありましたが、より具体的な“証拠”が多数提示されており、注目に値する内容となっています。

一例を挙げれば、2016年11月の大統領選挙の直後から、中国の大手保険グループがクシュナー氏の経営する不動産会社が保有していたマンハッタンのオフィスビルを再開発する話を進めていたといいます(この話は結局、利益相反との批判が高まり頓挫しましたが)。

こうした例はほかにも枚挙にいとまがなく、米公安当局は昨年初頭時点でクシュナー氏に警告を与えたようですが、以後も類似案件が頻発。クシュナー、イヴァンカ夫妻は、ホワイトハウスの主要メンバーでありながら、現在も国家機密へのアクセス権を制限されているといいます。

日本ではロシア疑惑ばかりが注目されていますが、同じ“介入”でも、スープに直接異物を混入するような形をとるロシアとは違い、中国は「味つけを変える」ようなイメージ。最初は気づかず、飲み干した後になって初めて中華風になっていたことがわかる、という感じでしょうか。

また、トランプ政権はTPPやパリ協定などから軒並み脱退(あるいはそれを示唆)し、国際協調路線から離れつつありますが、中国はこの機を逃さず、空白を埋めるかのように国際的プレゼンスを強化しています。これからは中国が国際社会を運営するんだ、と言わんばかりです。

例えば、今や国際刑事警察機構(インターポール)の総裁は中国人が務めており(選出されたのは16年11月)、昨年北京で開催された総会で習国家主席は「中国は世界中で最も安全だ」とまで演説しました。ウイグルやチベットの人々を苛烈(かれつ)に弾圧している張本人が、どの口でそんなことを言えるのかと思いますが、「現実」はじりじりと中国の思惑どおり動いているのです。

こうした中国のロングターム戦略に日本はどう対抗すべきなのか、そろそろ本気で議論をする必要があります。保守とリベラルが国内限定のイデオロギー闘争に明け暮れている余裕はありません。

冷静に考えれば、経済力や軍事力では太刀打ちできないことは火を見るより明らかです。もちろん軍事力をある程度強化するという施策も必要ですが、それだけでなく、彼らが持ちえないものを武器にしなければなりません。

僕が思うに、日本の最大の武器になるのは民主主義国家としての普遍的価値―表現の自由と多様性、そして寛容であること。例えば中国がヒップホップを禁止するなら、日本は「ヒップホップ省」をつくるくらいの勢いで中国のラッパーたちにラブコールを送り、自由をアピールする。そうした動きこそが、中国を「中から揺るがす」ことにつながるのではないでしょうか。

●Morley Robertson(モーリー・ロバートソン)




国際ジャーナリスト、ミュージシャン。1963年生まれ、米ニューヨーク出身。『スッキリ』(日本テレビ)、『報道ランナー』(関西テレビ)、『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』(朝日放送)、『ザ・ニュースマスターズTOKYO』(文化放送)、『けやき坂アベニュー』(AbemaTV)などレギュラー・準レギュラー出演多数。

■2年半におよぶ本連載を大幅加筆・再構成した待望の新刊書籍『挑発的ニッポン革命論 煽動の時代を生き抜け』(小社刊)が好評発売中!

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