“鳥葬”が禁止された今でも、“沈黙の塔”を見守る一人の老人 イラン

“鳥葬”が禁止された今でも、“沈黙の塔”を見守る一人の老人 イラン

撮影:高橋邦典

 イランで鳥葬が禁止されてから、現在も使用されている沈黙の塔はインドのムンバイにあるものだけなった。もともと沈黙の塔は人里離れた場所に建てられていたが、近年の人口増加に伴い、塔のすぐそばまで町が拡張してきたことが鳥葬禁止の主な原因だ。遺体の匂いや衛生面での問題が出てきたためだ。

 丘のふもとで、以前、塔に遺体を運んでいたという男に出会った。シャフリアルという名の老人は90歳。鳥葬が禁止されるまでの8年間に、週に2〜3人の遺体を塔の上まで運び安置した。遺体の並べ方にも決まりがあって、外の壁側から男性、女性、そして子供の順に横たえていくという。鳥葬のしきたりがなくなった今も、沈黙の塔の番人として、敷地内にある小屋で寝泊まりしている。

 現在は土葬に変わったが、この老人にとって葬儀の方法はあまり重要ではないようだ。彼は言った。

 「鳥葬だろうが、土葬だろうが関係ない。生きている時に良いことをしたかどうかが大切なんだ」

(2014年6月撮影)