中国で旧日本軍コスプレ撮影禁止、「俺の父は安倍」男性は拘束

中国で旧日本軍軍服でのコスプレ撮影禁止する条例案提出 南京大虐殺の史実否定も禁止

記事まとめ

  • 中国・南京市の人民代表大会で旧日本軍の軍服を着て行う撮影を禁止する条例案を提出
  • 条例案では中国政府が主張する南京大虐殺の犠牲者数や史実を否定することも禁止
  • Weiboに「安倍晋三首相はおれのおやじだ」と書き込んだ男性は当局に拘束された

中国で旧日本軍コスプレ撮影禁止、「俺の父は安倍」男性は拘束

中国で旧日本軍コスプレ撮影禁止、「俺の父は安倍」男性は拘束

あらゆることに介入してくる

 中国江蘇省南京市の人民代表大会(市議会に相当)常務委員会は8月下旬、中国政府が主張する南京大虐殺(1937年)の犠牲者数や史実を否定したり、犠牲者追悼施設で旧日本軍の軍服を着て行うコスプレ撮影などを禁止する条例案を提出した。地元紙の「現代快報」が報じた。

 条例案は南京大虐殺について「いかなる組織や個人による史実の歪曲や否定も禁止する」と規定。犠牲者への侮辱行為のほか「国民感情を傷つける言論や情報をでっち上げ、広めること」も禁じている。これが日本軍コスプレ愛好者への罰則に相当するようだ。これらの違反者は処罰される。

 南京では2月に南京大虐殺のモニュメントがある場所で、中国人男性2人が日本軍の軍服のコスプレ姿で、仲良く肩を組み、お互いVサインをしている姿を自撮りしてネット上に投稿。この写真が拡散し中国内では複雑な反響を巻き起こした。警察当局は2人が公共秩序を乱したとの疑いで、15日間の行政拘留処分を科している。

 このほか、中国ではこのところ、旧日本軍の軍服を着たコスプレ写真をインターネット上に投稿する若者らが続出している。

 日本軍コスプレの愛好者や、日本文化を称賛するあまりに中国社会を卑下する中国人の出現は「精日(精神的日本人)」現象と呼ばれており、中国政府は「侵略戦争を美化している」として、今年5月に旧日本軍のコスプレ行為などを処罰する「英雄烈士保護法」を施行している。

「精日」現象をめぐっては8月16日、中国版ツイッター「微博」に「安倍(晋三)首相はおれのおやじだ」などと書き込んだ安徽省馬鞍山市の18歳男性が警察当局に拘束されたほか、今年3月には南京市の男性(27)がインターネット上で「もう一度、日本人に(南京で)虐殺をさせるべきだ」などと投稿したことで、警察はこの男を刑事拘留処分にしている。

 今年3月の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)で、中国の王毅外相が記者会見した際、「現代快報」は「外相、ここのところ『精日分子』が中華民族の最低ラインを越えた挑発を行なっていることを、あなたはどう見ていますか?」と質問。これに対して、外相は「精日分子は中国人のクズだ」と激しく批判したことが大きな話題になった。

 ある中国法研究者は「この外相の発言が南京市の条例案提出の原因となったようだ。条例は南京市外でも有効とされる場合があり得るし、中国人ばかりではなく、外国人観光客や外国人ジャーナリストも当然対象になる」と指摘している。

 南京市の条例案は近く採決され可決される見通しで、南京大虐殺への異論発表や旧日本軍のコスプレ写真投稿などは「犯罪」とみなされ、違反者は合法的に罰せられることになるが、罰則規定などは公表されていない。

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