韓国反日映画 史実とかけ離れていてもスカッとできればいい

韓国反日映画 史実とかけ離れていてもスカッとできればいい

2017年公開の『軍艦島』は公開初日に97万人を動員

 この夏、韓国では燃え盛る反日の炎に油を注ぐがごとく、続々と「反日映画」が封切られる。7月25日には慰安婦問題をめぐる論争をテーマにした映画『主戦場』が封切られ、8月7日には“朝鮮独立軍”と日本軍の戦闘を描いた『鳳梧洞(ボンオドン)戦闘』が公開。続く8月8日には、今年1月に92歳で他界した元慰安婦・金福童(キムボクトン)氏に密着した映画『キムボクトン』が公開される。

 8月が過ぎても、韓国の反日映画ラッシュは続く。9月には、韓国で“徴用工の悲劇”として語られてきた事件を描く『浮島丸』が公開予定だ。

 この作品は、終戦直後の1945年8月22日、青森から釜山に向け出港した日本海軍の輸送船「浮島丸」が、同24日、舞鶴湾で機雷に触れて爆発、沈没した事件を題材にしたもの。韓国の映画情報サイトによると、「8000人もの朝鮮人徴用工とその家族を乗せた浮島丸を無惨にも海に沈め、虐殺した事件の真相を究明するドキュメンタリー映画」だという。

 韓国では、この事件が日本による“蛮行”として語り継がれており、「日本が朝鮮人を虐殺するため故意に沈没させた」という陰謀論を信じる人も多い。

 1992年には、韓国人の生存者や遺族が日本政府を相手取り、総額30億円の賠償と謝罪を求める集団訴訟を起こしたが、2003年、大阪高裁は「機雷による接触事故」と認定、原告側は敗訴した(その後、最高裁に上告するも棄却)。

 映画の紹介文は浮島丸に「強制徴用された朝鮮半島出身者8000人が乗船していた」とするが、日本政府の発表では船に乗っていたのは朝鮮人3735人と乗組員の軍人255人。同じく事故による死者は乗客524人と乗組員25人の計549人で、韓国側の主張とは乗船者数だけで2倍以上の乖離がある。

「大阪高裁の判決要旨にも書かれている通り、日本側は終戦後の混乱に乗じて朝鮮人徴用工らが暴動などを起こすことを恐れたために、早急に朝鮮に帰還させようとした。日本軍の軍人も乗組員として乗船しているのに、なぜ、わざわざ舞鶴湾で自沈するのでしょうか」(在韓国ジャーナリストの藤原修平氏)

 韓国政府は大阪高裁の判決後、2005年から2010年まで5年間にわたり真相調査を行なったが、韓国側が求める“成果”は得られなかった。

 なお、予告編は現時点で未公開だが、映画『浮島丸』のポスターは扇動的だ。

「メインのビジュアルに安倍晋三首相の顔写真を用い、〈独島(註・竹島の韓国名)は日本領だ/慰安婦は補償した/強制徴用はなかった/生体実験は証拠がない/浮島丸は事故だった/殺人者、日本/真実を隠している〉と安倍首相に対する憎悪を掻き立てる文言が並んでいます。

 現在の韓国社会は、“悪の権化である安倍”を叩けばいかなる反日も正当化される風潮がある。このポスターのデザインも、その流れに乗ろうとしているだけに見える」(同前)

 ここまで史実を軽視した反日作品を並べられると、言いようのない悲しみに胸を衝かれる。産経新聞ソウル駐在客員論説委員の黒田勝弘氏も、韓国社会の宿痾を嘆息する。

「韓国の映画業界にとって、8月15日の光復節(韓国における独立記念日)前後は反日機運が最も高まるかき入れ時です。今年は『三・一独立運動』の100周年でもあるので、反日映画の公開が相次いでいるのでしょう。

 日本の支配下で朝鮮民族がいかに抵抗したか、どう勝ったかを見たい──そんな韓国人にとって、事実関係はどうでもいいこと。史実とかけ離れていても構わないから、愛国主義が描かれていてスカッとできればそれでいいのでしょう。ただ、それを事実と信じてしまう若者もいるだろうから、いかがなものかと思いますが」

 真実を知らされていない個人が、映画に描かれたフィクションを事実と混同することを止めるには限界があるだろう。反日を煽る文在寅政権のもとで、この隣国と分かり合える日は、遠く彼方にある。

※週刊ポスト2019年8月9日号

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