文在寅政権、「通貨危機再来」なら日本や米国に支援求めるのか

文在寅政権、「通貨危機再来」なら日本や米国に支援求めるのか

経済危機なら甚大なダメージも(写真/時事通信フォト)

「韓国経済は強い」と主張し続ける文在寅政権。だが、実際は「1997年の通貨危機の再来」と言われるほどの危機的状況に陥っている。

 通貨危機の再来となった場合、日本が無関係というわけにはいかない。まず指摘されるのが、邦銀への影響だ。

「韓国向けの融資をする邦銀の業務が滞る可能性がある。現在、邦銀は韓国企業に約300億ドルを貸していますが、最悪の場合は貸し倒れを覚悟しなくてはならない」(元週刊東洋経済編集長で経済学博士の勝又壽良氏)

 その程度であれば民間企業が引き受ける「韓国への投資リスク」ともいえるが、ウォン危機は日本や他国の市場にも影響は避けられないだけに、“対岸の火事”と放っておくわけにはいかなくなる。

 1997年の通貨危機の際、韓国とIMFは総額580億円の金融支援で合意した。日本は第二陣として最大100億ドルの援助を準備したが、最終的にはその資金は利用されなかった。

 もっとも、IMFへの出資比率は日本が世界2位で、日本の資金が通貨危機打開の一助となったことには変わりない。韓国経済の破綻は、半島情勢の不安定化に直結する問題でもある。

「韓国が極端に弱体化したタイミングで中国、ロシア、北朝鮮が攻勢を強めれば、日本の安全保障も危機を迎える」(勝又氏)

 こうなると多額の支援をしてでも韓国経済の立て直しに協力せざるを得ない状況も生まれる。

 だが、それがすんなり進むだろうか。1997年の通貨危機当時、時の金泳三政権は文政権と同じく対日強硬派で、「通貨危機の原因は日本の金融機関が韓国から70億ドルもの国債を引き揚げたことにある」と主張した経緯がある(後に金大中大統領が日本の金融機関が協調姿勢だったことを明かし、この説明を否定)。

 果たして文政権がそうした危機に陥った時、日本や米国に支援を求める決断はできるのか。一方で日韓関係の悪化の中で、その支援要請に日本側は手を差し伸べられるのか──。

 いくら距離を置いたとしても、否応なく巻き込まれてしまうのが、近隣外交の難しさである。

※週刊ポスト2019年10月4日号

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