中国で少数民族居住地を中心に住民のDNA採取強化

中国で少数民族居住地を中心に住民のDNA採取強化

DNAで国民を管理

 中国では9月下旬から広西チワン族自治区、湖北省や安徽省、浙江省などの農村部を中心に、警察による住民のDNA採取が開始されていることが明らかになった。警察署からの通達によると、「警察の基本情報管理の完全化」と「国民管理の精度の向上化」を目的としており、「家族(のDNA)調査を通じて、社会の治安現状を把握し、国民への管理能力を増強する」ためだという。

 警察当局が「現時点で7000万件以上のDNAデータを収集しており、来年までの1年間で1億件のデータ収集を目標にしている」ことが伝えられており、中国では治安維持のために、国民一人一人の管理が強化されているようだ。米国政府系報道機関「ラジオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 最初にDNA採取を開始したのは、少数民族が多く、反政府暴動も発生している新疆ウイグル自治区。同自治区ではウイグル族やカザフ族などの少数民族を中心に、中国政府の政策に従うように「再教育プログラム」が実行されており、その過程で強制的に血液や唾液が採取されているという。

 このようなDNA採取は今年9月から、中国の農村部に拡大している。同様に少数民族地区である、広西チワン族自治区桂林市の警察本部が住民に連絡した通達では、各警察署の担当者が今年9月20日から12月31日まで管轄内の各地域に入り、住民の血液サンプルの採取を行うとしている。

 また、内陸部の湖北省でも、住民のDNA採取が始まっており、同省政府が作成した警察署への連絡文書「DNAデータ庫設立工作方案に関する通知」には「採取したDNAによって曾祖父から息子までの5世代にわたる遺伝子情報が分かる」と記載されているという。同省十堰市のある村の警察当局は村内の小中学校に通っている生徒の全員の血液サンプルを集めたほか、安徽省や江西省でも血液や唾液の採取が進んでいる。

 RFAによると、中国では全国各地の警察当局がDNAデータ収集に使う測定器や、採取用器具などを大量に購入しており、その器具の数量と費用は医療機関や大学の研究機関をはるかに超えているという。それだけに、中国政府が各省・自治区・直轄市政府に対して、住民のDNA採取を直接指示しているのは明らかだ。

 中国では1日に500件以上の暴動が発生しているとの統計も発表されており、中国政府は治安維持対策のために、国民一人一人のDNA個人データ管理を強化しているようだ。

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