「秘密のある結社」フリーメイソンは震災支援も行う

「秘密のある結社」フリーメイソンは震災支援も行う

メイソンのシンボルが玄関ロビーのステンドグラスに描かれている

 世界に約600万人、日本のメンバーは約1600人フリーメイソンの組織の実態は、会員以外には杳として知れない。だからこそ、「陰謀論」が囁かれることも多いと言える。

 怪しげな言説に彩られた「フリーメイソン」の実態に迫るべく、日本にある15のロッジ(拠点)を束ねる東京タワーからほど近い総本部「日本グランドロッジ」に足を踏み入れた。そして日本グランドロッジを主宰する第60代グランドマスターの猪俣典弘氏とグランドセクレタリー(事務局長)のフィリップ・A・アンブローズ氏に疑問を訊いてみた。

──教義があり、信仰心が入会の条件とされている。フリーメイソンは宗教なのか。

猪俣氏:フリーメイソンは特定の宗教を超越した“至高の存在”(Supreme Being)を信じ、その神の下での「兄弟愛」を尊重します。自らの信仰と同じく他者の信仰も尊重する文化があり、無神論者は入会できません。

 儀式会場の真ん中にある祭壇には聖書、コーラン、仏典など各々が信仰する宗教の聖典が乗せられます。宗教ではないけど宗教的ではあります。ただし、ロッジ内では宗教の話はしません。

アンブローズ氏:宗教と政治の話題はメンバー間の不調和を招くのでタブーです。ジェントルマンの集まりなので下品な言動を慎み、ロッジの決議事項を遵守することが求められます。ルールを破って不調和を招くと「口頭によるけん責」「資格停止」「除名」という処分が下されます。

──会員だけがわかる「秘密のサイン」があると聞きましたが。

猪俣氏:会員にしかわからない独特の握手法や言い回しがあります。国によって違いますが、お互いがメイソンかどうかを尋ねる方法もある。今はネットに「認識方法」が流出し、メイソンを騙る人間もいますが、少し話をしてその人物の内面を探れば、たやすく偽メイソンを見抜けます。

──日常的な活動は何を?

猪俣氏:主な活動は月に一度の定例会や儀式です。メイソンは秘密結社ではなく、“秘密のある結社”です。石工の流れを汲む儀式など限られた案件のほかに秘密はなく、今はいろんなことがウィキペディアに載っています(笑)。

 慈善活動も盛んに行い、東日本大震災では南三陸町のお寺や漁業の再建を支援しました。熊本地震の被災者の支援活動も行っています。

※SAPIO2016年10月号

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