中国大手保険会長拘束 保険業界にも腐敗追及広がる

中国大手保険会長拘束 保険業界にも腐敗追及広がる

派手な言動が党指導部の顰蹙を買ったか

 中国大手保険会社「安邦保険集団」の呉小暉会長が、銀行からの多額の資金貸し付けを巡る疑惑で拘束されていることが分かった。呉氏といえば、3番目の妻が中国の最高実力者だったトウ小平氏の孫娘だったこともあり、習近平国家主席が中心の太子党(高級子弟グループ)への食い込みを図るなどの派手な言動が党指導部のひんしゅくを買ったとの見方も出ている。

 呉氏については今年4月ごろから、腐敗容疑をめぐって拘束されたとの情報が飛び交っていたが、同集団は6月14日、ホームページ上で、「呉小暉会長は個人的な理由から、職務を遂行できなくなった。その職務は他の人に引き継がれている」などと発表し、呉氏が事実上解任されたことを明らかにした。

 米紙「ニューヨーク・タイムズ」など複数のメディアは「呉氏は今月9日には身柄を拘束され本格的な取り調べが始まった」などと報じている。

 呉氏は2014年、アメリカを代表する世界的に著名なホテルで、各国の要人が宿泊する高い格式を誇るウォルドーフ・アストリアを買収したり、トランプ米大統領の娘婿、クシュナー氏との不動産ビジネスを展開するなど、トランプファミリーとも関係が深いなどとして話題を集めていた。

 さらに、報道によると、呉氏は3回結婚し3回とも離婚している。初婚の相手は当時の温州市長だった劉錫栄氏の娘、2回目は革命の元勲、陳毅元帥(元上海市長)の娘の陳小魯さん。3番目がトウ卓苒さんだった。トウさんとは昨年、離婚したという。

 呉氏はこれら大幹部ファミリーとも密接な関係をビジネスに利用し、まったくのゼロから、資産額2420億ドル(27兆円弱)を誇る安邦集団を育て上げたといわれる。

 その派手な人脈やビジネス展開は、いやがうえでも最高指導部の関心を集め、ビジネス上の疑惑が噴出したとみられる。

 習近平指導部は今年4月、保険業界の政府監督機関である中国保険監督管理委員会(保監会)の項俊波主席(閣僚級)を解任。共産党中央規律検査委員会が保険会社の株式買い占めなどの「重大な規律違反」の疑いで調査を始めており、呉会長の身柄拘束も保険業界全体に腐敗追及の動きが及びつつあることを示している。

 これについて、香港メディアは「トウ小平の孫娘との結婚などで、太子党人脈をビジネス展開に利用しようとしたことが、習近平ら太子党中枢の逆鱗に触れた」との見方を伝えている。

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