中国・青島発の「一匹犬政策」 殺処分指令に反発も

中国・青島発の「一匹犬政策」 殺処分指令に反発も

「一人っ子政策」の次は「一匹犬政策」へ

 中国の風光明媚な港町で知られる山東省青島市政府は今年6月から、ペットとして飼育するイヌを1世帯当たり1匹とする条例を施行したことが分かった。青島では近年、ペットブームとなっているが、飼育のマナーが悪く、放し飼いなどによって、市民に噛みついて負傷させる事件などが増えているためだ。

 中国では昨年、一人しか子供がもてない「一人っ子政策」が終了したが、飼い犬を1頭に制限するという「一匹犬政策」は青島だけでなく、他都市にも波及する傾向をみせている。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 青島市政府は今回の「一匹犬政策」で、これまでの飼い犬の登録を無効にして、再び登録し直さなければならないと通告。登録されるイヌは1匹だけとして、しかも登録料として400元(約6600円)を支払わなければならない。

 この背景には、青島ではイヌやネコを中心に飼う市民が増え、ペットイヌの頭数は3年前の2倍にも膨れ上がる一方、他の市民から「イヌの鳴き声がうるさい」や「噛まれてケガをした」「子供が放し飼いの犬に追いかけられた」「フンは道路上にそのままにしたり、尿を垂れ流したままになっている」など多くの苦情が寄せられているためだ。

 このため、今回の登録ではイヌの首輪に飼い主の名前や住所、犬種や年齢、性別などの情報を書いた登録証を縫い込まなければならない。

 これに違反した場合、500元(約8250円)から2000元(3万3000円)の罰金を支払うことになる。また、人間にけがを負わせた場合、殺処分になるという厳しい決まりもある。

 この「一匹犬政策」については、すでに市民から苦情が起きている。これまで複数の犬を飼っていた場合、登録した1頭以外の他の犬を殺処分しなければならず、「極めて残酷でかわいそうだ」との声が出ており、「あまりにもお役所仕事だ」との批判も出ている。

 とはいえ、「一匹犬政策」については、青島ばかりでなく、四川省成都市や黒竜江省ハルビン市、広東省珠海市でも採用されている。ただ、やはり反発が多く、広東省江門市では条例施行からわずか9日後に撤廃に追い込まれた。

 このような「一匹犬政策」の背景には、中国での空前のペットブームがある。イヌやネコなどのペットの年間取引は2008年で3千万匹、2012年で1億2700万匹、2015年で1億8000万匹に増加で、今年は2億5300万匹との予想が出ているほどだ。その割には、青島と同様、「ペット飼育のマナーがしっかりとしておらず、近隣住民とのトラブルが絶えず、行政としても取り締まらなればならない状況だ」と同紙は指摘している。

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