ノーベル賞の劉暁波氏の治療映像 8年前に撮影された疑い

肝臓がんのノーベル平和賞受賞者・劉暁波氏が治療を受けている動画は8年前のとの疑い

記事まとめ

  • 中国で唯一のノーベル平和賞受賞者で、民主化指導者の劉暁波氏は肝臓がんで末期状態
  • 瀋陽市内の病院に移送され、手厚い治療を受けている動画が公表された
  • 動画は劉氏が8年前に北京の病院に入院していた際の動画であるとの疑いも

ノーベル賞の劉暁波氏の治療映像 8年前に撮影された疑い

ノーベル賞の劉暁波氏の治療映像 8年前に撮影された疑い

民主化指導者の動画に疑いの声が登場

 中国で唯一のノーベル平和賞受賞者で、民主化指導者の劉暁波氏が獄中で肝臓がんにかかり、末期状態であることから、中国東北部の瀋陽市内の病院に移送され、手厚い治療を受けている動画が公表された。だが、実は、その動画は劉氏が8年前の2009年6月に北京の病院に入院していた際の動画である疑いがあるとの指摘が出た。

 米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が劉氏と親しい知人の話として報じた。

 劉氏は1955年12月28日生まれの61歳。北京師範大学文学部の講師だった頃、人権活動や民主化運動に参加。度々投獄される。1989年春に北京で起こった民主化要求運動の際は米コロンビア大学の客員研究員を務めていたが、帰国し、運動に身を投じた。6月4日の天安門事件後、反革命罪などで投獄され、釈放後も中国内で民主化活動を継続。

 劉氏は2008年12月、他の民主化運動指導者ら302人と連名で、インターネット上で、中国の政治・社会体制について、中国共産党の一党独裁の終結、三権分立、民主化推進、人権状況の改善などを求めた宣言文である「零八憲章」を発表した。

 その後、当局に逮捕され、獄中にいたが、2009年6月には病気治療のため、北京の病院に移された。

 博聞新聞網が劉氏と親しい知人の話として、現在、インターネット上で公開中の瀋陽市にある中国医科大学付属病院で治療を受けている動画は、劉氏の表情や体つきなどから、北京の病院で撮影されたものと報じている。

 劉氏は今回の病院への移送の際、「中国ではなく、海外で治療を受けたい」と再三当局側に懇願したが、拒絶されている。中国当局は一時、海外諸国からの医師の派遣を断っていたが、中国政府が劉氏の健康状態を隠蔽し、人権侵害を行っているとの批判を受けることを恐れて、ドイツと米国の医師団の受け入れを表明している。

 しかし、同網は中国側が米独の医師団の医療活動を妨害する可能性もあるとして、その間に劉氏の生命に危害が及ぶのではないかとも報じている。

 一方、香港メディアは北京で投獄されている元共産党幹部、薄煕来氏も同じく肝臓がんで釈放され、北京で治療を受けていると報じているが、同じ時期に2人の囚人が肝臓がんにかかり、病院で治療を受けていることについて、獄中での食事に薬物も盛られて、肝臓に異常をきたした可能性も否定できないと指摘している。

 中国では獄中で、肝臓が悪化して死亡したり、突然血圧が高くなって意識がなくなって死亡するケースが報告されており、病気治療の名目で投与された薬物が原因で死亡することもたびたびあるという。

関連記事(外部サイト)