文在寅大統領就任で青瓦台は「反米親北勢力」に乗っ取られた

文在寅氏に元駐日韓国大使館公使が警鐘 青瓦台を『反米親北勢力』が乗っ取ったと指摘

記事まとめ

  • 金正恩氏よりも文在寅大統領の方が危ないと元駐日韓国大使館公使が警鐘を鳴らしている
  • 大統領府は『反米親北勢力』に乗っ取られ、国家機密は北朝鮮に筒抜けだという
  • 反共民主体制の破壊とも言える国情院解体を進め、反対勢力の粛清も進めているらしい

文在寅大統領就任で青瓦台は「反米親北勢力」に乗っ取られた

文在寅大統領就任で青瓦台は「反米親北勢力」に乗っ取られた

「反米親北勢力」に青瓦台は乗っ取られた YONHAP NEWS/AFLO

 緊迫する朝鮮半島情勢で、日本人の目は金正恩ばかりに注がれている。だが、本当に危ないのは文在寅だ。元駐日韓国大使館公使の洪ヒョン氏が警鐘を鳴らす。

 * * *
 文在寅の大統領就任からおよそ8か月、青瓦台(大統領府)は「反米親北勢力」に乗っ取られた。

 政務職はもちろん、中央省庁の局長・課長級に該当する秘書官とその他の行政官のほとんどは金日成主義である「主体思想」を学習した者らで、南北連邦制(*)を追求した「全大協(全国大学生代表者協議会)」や左翼活動家たちだ。彼らは、「韓国そのものを平壌に捧げよう」という強い信念を持つ親北勢力である。

【*朝鮮半島における「1国家2体制2政府」を想定し、南北の地方政府がそれぞれ国防、外交権を持つ構想。地方政府の上位に連邦国家の中央政府が位置する】

 中でも代表的存在が、青瓦台ナンバー1の任鍾ソク・大統領秘書室長だ。全大協の議長だった1989年に平壌で開催された世界青年学生祝典に全大協の女子大生を派遣し、国家保安法違反で懲役5年の実刑判決を受けた。その後、国会議員になって公務で米国を訪問しようとしたら、当局から入国を拒否されたいわくつきの人物である。

 昨年11月、収賄事件で辞任した田炳憲に代わり、青瓦台ナンバー2である政務首席秘書官に就任した韓秉道も全大協出身だ。

 文在寅のスピーチライターを務める申東昊・演説秘書官は、元「全大協」文化局長で漢陽大学時代は任鍾ソクの1年先輩。この二人は李明博政権時代、朝鮮労働党の委任を受けて「南北経済文化協力財団」を設立し、金日成大学を支援し、朝鮮中央テレビなどを引用した場合のコンテンツ使用料を韓国の言論機関から徴収して、その金をせっせと平壌に送っていた。

 文政権発足後、「積弊清算(過去の積もった弊害を清算して正すこと)」の名目で、国家体制を変えるために組織された「委員会」や「タスクフォース」のメンバーも極左親北ばかりだ。

 キーパーソンは、「国家情報院(国情院)の改革発展委員会」の委員長である丁海亀。若い頃から共産主義者で、保守右派団体が定めた「親北反国家行為者100人」に名を連ねる人物だ。

◆無慈悲な粛清も進行

 大統領直属の情報機関である国情院は、朝鮮労働党と戦った韓国の“冷戦司令部”であり、自由民主体制を守る要である。だが丁海亀は、国情院の名称変更や職務範囲縮小、捜査権放棄など、国情院を解体、つまり反共民主体制を破壊している。

「積弊清算」の美名のもと、無慈悲に進めているのが反対勢力の粛清だ。

 そもそも、朴槿恵前大統領が弾劾された発端は、親友である崔順実のタブレット端末から、修正された大統領演説文が見つかったという左派系有線テレビなどの捏造・煽動報道だった。しかし、実際にはこの端末は崔順実の所有物ではなく、外部から操作された痕跡が多数あった。検察当局はこれらの事実を把握しながら11か月間隠蔽していた。 

 文政権の誕生が捏造に基づくクーデターであることが明らかになった今、極左勢力は何が何でも朴槿恵を有罪にすべく、「国情院の予算が賄賂として青瓦台に上納された」という筋書きで国情院関係者を徹底的に追及している。すでに170人以上の国情院現職やOBが取り調べを受け、朴槿恵時代の国情院院長3人のうち2人が逮捕された。

 また文在寅側は、朴槿恵と李明博元大統領スキャンダルを調査する名目で国情院のメインサーバーから、機密情報をまんまと入手している。国家機密が平壌に筒抜けという異常事態である。

 左翼勢力は国体変更を目指し、そのため情報・軍・公安・司法機関に対する粛清が徹底的に行われている。

 国家存亡の機に右派の危機感は募る。

 昨年11月28日、野党・自由韓国党の議員である沈在哲国会副議長が記者会見し、文在寅、任鍾ソクに加えて、徐薫・国情院長と、崔順実事件で名を馳せた尹錫悦・ソウル中央地検長の計4人を名指しして、「法治破壊の内乱罪」と「国家機密漏洩罪」で刑事告発することを求めた。この国会副議長が刑事告発を求めるという内戦的状況を韓日のメディアはほとんど報じなかった。

【PROFILE】HONG Hyung/1948年生まれ。韓国陸軍士官学校を卒業後、野戦部隊の小隊長などを経て、国防部勤務。外務部へ転職後、駐日韓国大使館で参事官と公使を務める。退官後、早稲田大学客員研究員、桜美林大学客員教授を経て、現在、統一日報主幹。

●取材・構成/池田道大(フリーライター)

※SAPIO2018年1・2月号

関連記事(外部サイト)