上海に「東京裁判記念館」建設計画 安倍政権牽制の狙いも

中国政府が上海市内に「東京裁判記念館」を建設する計画 安倍政権牽制の狙いも

記事まとめ

  • 中国政府が上海市内に「東京裁判記念館」を建設する計画を進めていることが明らかに
  • 江蘇省の南京大虐殺記念館などと同様に「抗日愛国主義運動の拠点」となる可能性が高い
  • 東京裁判では、A級戦犯25人を有罪とし、東条英機元首相ら7人が絞首刑に処されている

上海に「東京裁判記念館」建設計画 安倍政権牽制の狙いも

上海に「東京裁判記念館」建設計画 安倍政権牽制の狙いも

中国の揺さぶりは続く

 中国政府が上海市内に「東京裁判記念館」を建設する計画を進めていることが明らかになった。完成すれば、江蘇省の南京大虐殺記念館などと同様に「抗日愛国主義運動の拠点」となる可能性が高い。中国共産党機関紙「人民日報」傘下の国際問題専門紙「環球時報」が上海交通大学東京裁判研究センター長の程兆奇教授の発言として報じた。

 程教授は同紙の取材に対して、「東京裁判記念館設立に関する計画は、国内で早くから報じられており、現在進行中だ。東京裁判には重大な意義がある。日本の中国侵略戦争における個別の事件と異なり、東京裁判は日本全体の戦争行為への総括となっている」と前置き。

 そのうえで、程氏は「東京裁判の結果を始めとする戦後レジームを認めることは、日本が戦争国家から国際社会に回帰するための前提だが、日本政府からは近年、東京裁判を否定する声が上がり続けている」と日本側の動きを牽制している。

 また、記念館建設について、程氏は具体的に「「中国政府から昨年夏に許可が下りた。上海市当局などが市内で土地を選定中で、完成時期は今のところ未定だが、裁判関連の資料や写真のほか、裁判官や検察官、東条英機(元首相)らの姿を描いた巨大な油絵などを展示する予定だ」と語っている。

 研究センターは2011年に設立されており、東京裁判の法廷記録(全80巻)や証拠文献集(全50巻)を出版し、ネット上で東京裁判の資料検索システムも構築しているほか、内外の識者を集めたシンポジウムも開催している。

 東京裁判は第二次大戦中の日本の戦犯に対する裁判であり1946年から1948年まで行われた。東京裁判では1948年11月に判決が言い渡され、A級戦犯25人を有罪とし、東条英機元首相ら7人が絞首刑に処されている。

 習近平指導部は東京裁判の意義について、「日本の侵略戦争を断罪した」と指摘しており、安倍晋三政権下で憲法改正論議など「戦後体制」見直しの動きが進むなか、中国は同記念館の建設によって、歴史問題で日本政府を牽制する狙いがありそうだ。

 これを裏付けるように、中国では同記念館建設の動きと並行して、中国の全国人民代表大会(全人代=国会に相当)は抗日戦争や国共内戦時の英雄や殉難者を侮辱したり、誹謗した者を処罰する法案審議を進めており、「英雄的な殉難者の精神や愛国心の高揚を目的とした『英雄烈士保護法』の法案を審議している」と中国国営新華社通信は伝えている。

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