米不法滞在発覚の中国人夫婦が19年後に強制送還、デモ発生

米不法滞在発覚の中国人夫婦が19年後に強制送還、デモ発生

19年越しで強制送還の悲劇

 20年近くも米国に住んでいた中国人夫婦が実は正式な入国手続きをしていない不法入国者だったことが分かり、米司法当局に摘発され、中国に強制送還されていたことが明らかになった。昨年発足したトランプ米政権は不法移民に厳しい対応をとっている。

 夫婦には米国生まれの5歳と15歳の2人の息子がいるが、2人は米国生まれで英語しか話すことができず、中国の文化にもなじんでいないため、夫婦の友人がしばらく面倒をみることになり、中国に送られた両親と離ればなれに生活を送ることになった。2人は18歳になった段階で、中国か、米国かのどちらかの国籍を選ぶことができる。米NBCテレビ(電子版)が報じた。

 この夫婦は黄哲龍さん(48歳)と李香金さん(43歳)。2人は1999年、貨物船に乗って米国に密入国し、最初はニューヨークに不法滞在して中華街で働いてお金を貯めて、知人が住んでいたコネチカット州に移った。

 夫婦は、ネイルサロンを経営、15歳のアンドリュー君と5歳のレオン君の2人の男の子にも恵まれて、落ち着いた生活を送っていた。

 夫婦は不法入国とはいえ、コネチカット州に移ってからは税金も払ってきたことから、5年前に移民局に永久居住権(グリーンカード)の取得の手続きを行った。しかし、審査の結果、居住資格を満たしていないと判断されて、グリーンカードを取得することができなかったという。

 その際、2人は右肘に常に位置情報を確認することができる「GPSトラッカー」を埋め込むことを条件にして、米国内での居住を許可されていたが、2017年1月にトランプ政権が発足してから、不法移民への対応が厳しくなっており、米当局と中国関係当局の協議の結果、中国の元旦に当たる春節(旧正月)の2月16日までに中国に強制送還されることになった。

 これに対して、同州の華人社会が決定の撤回を求めて抗議デモを行った。黄氏は「私はこれまで中国に帰りたいと思ったことはないし、アメリカ政府に税金を払ってきた。私はもうアメリカ人なのに、なぜ中国に帰らなければならないのか」と涙ながらに語ったという。妻の李さんも「アメリカには2人の子供がいるし、子供を置いてアメリカを離れたくない。子供と私たちを引き離さないでほしい。私たちの素晴らしい生活を壊さないでほしい」と訴えた。

 一方、長男のアンドリュー君は「こんなことが起きるなんて信じられない。両親は中国に行ったらどうなるのか? レオンと私はどうすればよいのか? アメリカは移民社会なのに、なぜ私たち家族はバラバラにならなければならないのか」と声を詰まらせていたという。

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