朴前大統領の弾劾訴追を見れば韓国立法・司法の歪み分かる

朴前大統領の弾劾訴追を見れば韓国立法・司法の歪み分かる

弾劾が成立し罷免された朴槿恵前大統領 AP/AFLO

 これまで、法律より感情を優先する韓国の性癖に日本は振り回されてきたが、それは韓国の財閥グループを巡る贈収賄事件で、検察から懲役30年、罰金1185億ウォン(約118億円)を求刑された前大統領の朴槿恵被告の公判を見ても分かる。厄介極まりない隣人に我々はどう接すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が提言する。

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 韓国が厄介なのは、政府だけでなく、立法府や司法までも歪んでいることです。朴槿恵前大統領の弾劾訴追を見れば実情がよくわかります。

 韓国の国会は2016年12月に朴氏の弾劾訴追案を可決しました。国の最高責任者を弾劾するわけですから、大統領が憲法違反の重大な罪を犯した事実などがなければ訴追できません。

 しかし朴氏の弁護人を務めた金平祐弁護士によると、訴追状には「街を埋め尽くした大群衆の国民運動に応える」と記されていたそうです。

 日本で安保法制が審議された際に、国会周辺ではSEALDsや左派系文化人などがデモを行いましたが、そのデモを理由に安倍首相が弾劾されるようなもので、法治国家の体をなしていません。韓国の国会は法律よりも国民感情を優先したことになります。

 おかしいのは憲法裁判所も同じです。

 国会で可決された弾劾訴追案は憲法裁判所で審議され、裁判官8人が全会一致で支持しました。金弁護士によれば、憲法裁判所の設立30周年を祝う記念誌には、弾劾訴追を支持したことについて「革命的な決定だった」と記されているそうです。法の番人である憲法裁判所がなぜ法を無視して「革命的な決定」を下すのか。法治国家とは言えない異常な事態です。

 そうした背景には何があるのでしょうか。金弁護士は、韓国の司法は北朝鮮に乗っ取られていると指摘します。

 実態は不明ですが、1970年代から韓国では密かに金日成が提供する“奨学金”を利用してソウル大学法学部などに進む学生が多数いたと言われています。家庭が貧しくても頭脳明晰な学生を支援して親北派に育て上げ、司法試験の勉強をさせたのです。典型例が盧武鉉大統領だと言われます。そうした学生が卒業後に法曹界に浸透し、韓国の司法を操っている疑いがあるのです。

●さくらい・よしこ/新潟県長岡市出身。ハワイ州立大学卒業。元日本テレビ「きょうの出来事」キャスター。1995年、『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』で大宅賞受賞。執筆・講演活動を続ける一方、インターネット放送「言論テレビ」を運営中。

※SAPIO2018年3・4月号

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