ホッケー南北合同チームに文在寅氏支持派若者からも批判の声

ホッケー南北合同チームに文在寅氏支持派若者からも批判の声

「防弾支持層」に亀裂 YONHAP NEWS/AFLO

 北朝鮮の「微笑み外交」に乗じても、何ら果実を得られないことは、歴史が証明している。にもかかわらず、なぜ北朝鮮の術中に、文在寅政権は自ら嵌まるのか。韓国人ジャーナリスト・朴承ミン氏が深層を読む。

 * * *
 親北政権に、ストップをかけようとする動きもある。

 文政権は、「蝋燭」から生まれたといわれている。前大統領の朴槿恵弾劾デモに参加した韓国の20代~30代、彼らが抗議の意志を示すため手に握ったのが蝋燭やそれを模したペンライトだった。彼らは「2030世代」と呼ばれ、文在寅大統領のコア支持層だ。結束力の強さから「防弾支持層」とも言われている。

 ところが、この支持基盤に亀裂が走りつつある。

 文政権は、平昌五輪で女子アイスホッケー南北合同チームを実現した。これに対して、「2030世代」は選手を無視し、五輪を政治利用したとの声をあげたのだ。思えば文大統領は、大統領選挙期間中、「機会は均等に、過程は公正に、結果は正義に」という若者向けのスローガンを出していた。

 今回の事態をみて、アイスホッケー代表に対して「過程は公正」なのか、と若者たちは憤ったのである。

 また、折からの就職難、将来への不安から、仮想通貨(ビットコイン)に投資していた若者が韓国でも社会問題化していたが、政府が通貨の取引規制の是非を巡って二転三転するのを見て支持層も揺れた(最終的に政府は、仮想通貨の取引に無記名の銀行口座を使うのを禁止した)。

 当初80%を上回った文大統領の支持率は初めて60%を切った(リアルメーター調べ。1月25日付で59.8%。現在は60台前半で推移)。政府は、「これから若い世代の立場をもっと考慮した政策を出す」と言っているが、展望は明るくない。北朝鮮に今後、支援を行えば、米国と関係が悪化し、国際的にも孤立することになる。もはや、北朝鮮を「同胞」と捉えない傾向のある若者たちは理想よりも生活の安定を何よりも望むだけに、国政の推進力もグンと落ちる。

 このまま北に恩義を与え続ければ、文政権の屋台骨はますます揺らぐだろう。

【PROFILE】朴承ミン(パク・スンミン)/時事通信の元ソウル支局記者。長年、北朝鮮問題と韓国政治を取材。その間に平壌と開城工業団地、金剛山など北朝鮮の現地を5回ほど訪問取材。現在、韓国と日本のメディアに寄稿している。

※SAPIO2018年3・4月号

関連記事(外部サイト)