中国の王毅外相 「精日分子」激怒パフォーマンスの背景

中国の王毅外相 「精日分子」激怒パフォーマンスの背景

王毅外相が激怒したワケは…(EPA=時事)

 中国の王毅外相は全国人民代表大会(全人代=国会に相当)期間中の記者会見で、旧日本軍の軍服を着たコスプレ姿で写真を撮り、SNSに投稿していた中国人男性らについて「中国人のくずだ」と述べて激昂するワンシーンがあった。

 王毅氏は日本通で、駐日本中国大使を歴任するなど中国外務省のいわゆる“ジャパンスクール”だが、近年、日中両国の対立関係が続いただけに、日本に関しては取り立てて厳しい態度をとってきた。そんな同氏が激怒してそのまま記者会見を中座してしまうのは初めて。

 その態度にネット上では「王氏は中国では最高の日本通だけに、日本には厳しい習近平指導部の目を気にして、保身を図るため、わざとらしいパフォーマンスをしているだけ」や、「中国人ならば、日本軍の軍服コスプレに激怒するのは当たり前」との相対立する声が寄せられている。

 王氏を激怒させたのは23番目の質問だった。

「外相、外相! ここのところ『精日分子』が民族の最低ラインを越えた挑発を行なっていることを、あなたはどう見ていますか?」

 この質問中の「精日」とは“精神日本人”のことで、自らの行動や思想などにおいて、日本人であるとみなしている中国人のことだ。「精神が日本化した輩(やから)」という意味である。

 この質問をしたのは南京に本社がある「現代快報」の記者。南京市では日中戦争時代、「南京大虐殺」が起き、中国人約30万人が殺害されたと中国側は主張している。

 最近、その南京大虐殺のモニュメントがある場所で、中国人男性2人が日本軍の軍服のコスプレ姿で、仲良く肩を組んで、お互いVサインをしている姿を自撮りして、ネット上に投稿。これが拡散しており、中国内では複雑な反響を巻き起こしている。

 この行為を重くみた警察当局は公共秩序を乱した疑いで、この2人に15日間の行政拘留処分を科した。

 さらに、南京市の男性がインターネット上で「もう一度、日本人に(南京で)虐殺をさせるべきだ」などと投稿したことが分かり、警察はこの男(27)を刑事拘留処分にしている。警察当局によると、男は南京市で職を探していたが、給料が低いことに腹を立て、SNSを通じて投稿したという。

 南京市当局は「民族感情を傷つける違法な言論」と批判している。このような事件を引き起こした3人を指して、「現代快報」記者は「精日分子」と呼んだのだ。

 3人の行為や記者会見での王氏の反応について、ネット上では「これらの人々は日本軍が好きなのではなくて、いまの中国社会が住みにくいので、日本の軍服のコスプレで、不満を発散しようとしているだけだ。ドイツに不満を抱いている若者がナチスドイツの軍服をコスプレのようにして、不満を吐き出して遊んでいるのと変わらない」といった意見も。また、「王氏は最近、日本関係となると怒ってばかり。河野太郎外相にも『あなたには失望した』と失礼な言葉を浴びせるなど、他人の目を気にして、自分の成績を上げようとする見え見えの態度は控えた方が良いのでは」との書き込みもあった。

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