金正恩のメッセージ? 北朝鮮が発した「宣戦布告サイン」

金正恩のメッセージ? 北朝鮮が発した「宣戦布告サイン」

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 核戦争の恐怖が現実のものとなりつつある。9月9日、北朝鮮が5回目の核実験に成功したとの報道がなされた。これに対し、国連の安全保障理事会が緊急の会合を開いて非難の声明を発表したのをはじめ、日本でも、安倍晋三首相が「断じて容認できない」と公式にコメントするなど、世界各国が北朝鮮の不穏な動きに反発を強めている。

「今年1月に行った4回目の核実験で非難されたばかりですから、厳しい声も当然。さらにこの間、北朝鮮は頻繁にミサイル発射実験を繰り返していますからね」(全国紙記者)

 これらのミサイルは、どれも北朝鮮から日本海に向けて発射されており、特に8月以降のものは、日本の防空識別圏内の海域ないしEEZ(排他的経済水域)に落下している。これらの動きについて、北朝鮮事情に詳しい『コリア・レポート』編集長の辺真一氏は、こう指摘する。

「今回の核実験は、これまでの実験とは違い、小型化された核弾頭部分の実験だといわれています。つまり、これは北朝鮮の核がミサイルに搭載可能だということを示しています」 そのミサイルの発射実験についても、「日米のミサイルレーダーが捕捉した5発のうち3発は、日本のEEZの同じ場所に落下しています。それだけ北朝鮮のミサイルの命中精度が上がっているということです。つまり、北朝鮮の核の脅威が一段上がったと見るべきです」(前同)と警鐘を鳴らす。

 日本に対する威嚇とも取れる核実験とミサイル発射。金正恩朝鮮労働党委員長の意図は何なのだろうか。「いつでも日本を攻撃できるぞ、というアピールです。朝鮮有事の際、日本は直接交戦しなくても、医療、食料、武器などの面で(同盟国の)後方支援に回るのに対し、“介入したら、ただでは済まないぞ”というメッセージなのです」(同)

 確かに現在の金正恩氏は、何をしでかすか分からないほど常軌を逸している。北朝鮮国内でも、2年前に政権ナンバー2を態度が悪いという理由で、一族もろとも処刑したニュースは世界を震撼させたが、今年の7月にも、同様の理由で副首相を銃殺刑に処している。暴走が止まらないだけに、北朝鮮と米韓が再び戦火を交えることになった際には、日本を攻撃する可能性も十分にありえるのだ。

「北朝鮮の核実験は、国連の制裁決議に対する抗議という大義名分の下に行っていますが、これは“口実”。今後、制裁が強くなるたびに、なんらかの形で実験を繰り返すでしょう」(同) なぜなら、北の独裁者の野望は、核兵器を保持し、核戦争への臨戦態勢を整えることにあるからだ。

「オバマ政権になって以降、北朝鮮は核実験を4回実施していますが、これはオバマ氏が対話と制裁以上のことはしないと見くびっている証拠。北朝鮮は、残り少ないオバマ氏の任期中に、6回目の核実験、もしくは、射程距離1万キロともいわれる大陸間弾道ミサイル“KN08”の発射実験を行うはずです」(同)

 実際に、新たな核実験の準備がされていると韓国では報じられており、予断は許さない状況だ。それに、もし仮に“KN08”の発射実験が成功すれば、それはアメリカも射程圏内に入るということ。この挑発にアメリカも黙ってはいないだろう。有事に発展する可能性は少なくない。

 北朝鮮の暴走を止める手段を、はたして日本政府は講じられるのか――。

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