外交成果急ぐ米、全面対立から条件闘争へ…新STARTで露と駆け引き

 【ワシントン=蒔田一彦】来年2月に期限が切れる米露唯一の核軍備管理の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)の延長を巡り、両国が駆け引きを激化させている。米国は16日、「無条件で最低1年間延長」とするロシアの提案を拒む一方、1年延長を条件付きで認める方針を示していたことも明らかにした。

 米国のロバート・オブライエン国家安全保障担当大統領補佐官は16日の声明で、ロシアの提案に「実現の見込みがない」と述べた。米国がロシアの提案以前に、「全ての核弾頭」を制限対象とする合意を条件に条約の1年延長をロシアに提案していたとも明かした。

 交渉で米国は、新STARTが扱う長距離射程の核戦力以外に短・中距離の戦力制限も求める姿勢を示してきた。オブライエン氏が明かした対露提案は、米国が全面対立から条件闘争に入ったことを示すと言える。

 米国の変化にはトランプ大統領が再選に向けた外交成果を急ぐ事情もある。交渉担当のマーシャル・ビリングスリー米大統領特使は13日の講演で「両国政府の最高レベルで原則的な合意がある」と述べていた。

 条件付きで1年延長を認める米国の提案を拒む姿勢を示したロシアは、米大統領選の結果を見極めているとみられる。民主党のジョー・バイデン前副大統領は条約を単純延長した上で、制限対象の拡大などを協議するとの立場だ。

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