マレーシア、国王が8月1日までの「緊急事態宣言」…首相の総選挙先延ばし思惑も?

 【ハノイ=田中洋一郎】マレーシアのアブドゥラ国王は12日、新型コロナウイルスの感染拡大防止を理由として、8月1日まで全国に「緊急事態宣言」を発令した。期間中は、連邦議会が停止され、選挙も行われない。不安定な政権運営に苦しみ、解散・総選挙を先延ばししたいムヒディン・ヤシン首相の思惑も背景にあるとみられる。

 発表によると、発令は内閣の助言に基づき、国王が判断した。ムヒディン氏は12日、テレビ演説で「軍事クーデターではない」などと訴えた。政府機能は停止せず、必要な政策は国王の勅令により行うという。

 現政権は、ムヒディン氏の政党と、統一マレー国民組織(UMNO)などが組んで昨年3月に発足。しかし、組閣人事などでUMNOが不満を募らせ、解散・総選挙の早期実施を求めていた。発令により政権が延命する一方、与党連合内の分裂が決定的となれば、解除後の選挙で、ムヒディン氏が苦戦する可能性もある。

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