退任間近のトランプ氏、2度目の弾劾訴追…共和党議員10人が賛成

 【ワシントン=蒔田一彦】米下院は13日、トランプ大統領の支持者らが連邦議会議事堂を一時占拠した事件をトランプ氏が扇動したとして弾劾(だんがい)訴追する決議案を賛成多数で可決した。採決では与党・共和党議員10人が賛成に回った。退任を1週間後に控えるトランプ氏が、6日に起きた事件からわずか1週間後に弾劾訴追されるという異例の事態となった。

 米大統領に対する弾劾訴追は史上4度目で、任期中に2度にわたって弾劾訴追された大統領はトランプ氏が初めてとなる。

 野党・民主党が11日に提出した決議案の採決は、賛成232、反対197だった。下院で多数派の民主党は全議員が賛成し、下院共和党ナンバー3のリズ・チェイニー議員ら10人の共和党議員も賛成した。トランプ氏が2019年に弾劾訴追されたときは、共和党議員の賛成はなかった。

 今後の焦点は上院による弾劾裁判に移る。共和党と民主党系が50議席ずつ分け合うこととなる上院でトランプ氏を「有罪」とするには、出席議員3分の2の賛成が必要だ。共和党上院トップのミッチ・マコネル院内総務は、裁判開始は新政権が発足する20日以降になるとの見通しを示している。

 決議案は、占拠事件を巡るトランプ氏の「暴動の扇動」を問い、罷免(ひめん)を求めた。民主党は、憲法の規定に基づく罷免の手続きを取るようペンス副大統領に求めていたが、ペンス氏が応じなかったため、弾劾訴追に踏み切った。

 民主党のナンシー・ペロシ下院議長は採決後、「トランプ氏は我々の国にとって明白かつ眼前の脅威だ」と語った。バイデン次期大統領も声明を出し、「武装した過激派などによる米国を標的とした暴動であり、トランプ氏が扇動した」と批判した。一部共和党議員の賛成票にも触れ、「国家として団結することがかつてなく重要だ」と訴えた。

 トランプ氏は13日、ツイッターのホワイトハウスの公式アカウントにビデオメッセージを投稿した。弾劾訴追には直接触れず、自身の支持者らに「怒りを静め、いかに秩序を取り戻すかを考えてほしい」と呼びかけた。占拠事件についても「私の真の支持者は、政治目的のために暴力に訴えたりはしない」と主張した。

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