「天安事件は南北の障害物」…北朝鮮メディア「無関係」を強調

「天安事件は南北の障害物」…北朝鮮メディア「無関係」を強調

2月9日、引き上げられた哨戒艦「天安」を見学するペンス米副大統領(青瓦台提供)

「李明博政権による謀略劇」

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は10日、「南北関係改善の最大の障害物である天安艦沈没事件の真実を明かすべき」と主張する論評を配信した。

天安艦沈事件とは、2010年3月26日に西海(黄海)で韓国軍哨戒艦「天安」が沈没し、乗員46名が死亡または行方不明になった事件。直後に韓国政府が結成した米・豪・英・スウェーデンの専門家22名を含む調査団は、約2か月間の調査を経て、5月に「北朝鮮の魚雷攻撃により沈没した」との結論を出した。

事件直後から「北朝鮮は関与していない事故説」が根強くささやかれてきた同事件について、論評では「最近、南朝鮮で『天安』号沈没事件の再調査を求める声が高まっている」と言及した。

さらに市民団体になどによる再調査要請、韓国の国営放送・KBSの最新ドキュメンタリーでの疑問提起、「調査結果を信用しない」という世論調査の結果など、韓国内の真相究明を求める動きを詳細に紹介した。

論評ではその上で、「民族的和解と団結の機運が漂っている現時期、艦船沈没事件に対する再調査の要求がいっそう強烈になっているのは、それが北南関係改善の最大の障害物だということを示している」と主張。

さらに「『天安』号事件は、北南対決で6.15時代を抹殺し、窮地に陥った統治危機から逃れるために李明博逆徒が故意的につくり上げた特大型の謀略劇である」とした。

文在寅政権をも批判

「6.15時代を抹殺」とは2000年の南北首脳会談以降、南北交流が過去最大規模に拡大したにもかかわらず、北朝鮮の核実験(06年10月)や2008年3月の李明博政権の誕生を受け、南北関係が冷却したことを指す。事件後に制定され、今も続く対北制裁の「5.24措置」により南北交流は大きく制約を受けている。

論評では保守陣営への攻撃に加え、最近、再調査要望の高まりに答えるかたちで韓国軍が再び「天安艦沈没は北朝鮮の所業」とした点を取り上げた。

そして「保守積弊清算、北南関係の改善を騒ぎ立てる現当局がいまだ『天安』号事件の迷宮でじたばたしている」と現政権をも批判し、「天安」事件に対し、現政権に「踏み絵」を迫る態度を示した。

その上で「民族の和解と協力を望む全同胞の志向と要求を実現するためには、保守逆賊一味が北南関係を破綻させるためにねつ造した『天安』号沈没事件という積弊を必ず清算すべきである」と強調した。

関連記事(外部サイト)