北朝鮮、海外派遣労働者に「韓流禁止令」を出すも反発の声上がる

北朝鮮、海外派遣労働者に「韓流禁止令」を出すも反発の声上がる

平壌で行われた南北芸術団の合同公演(2018年4月4日付労働新聞)

北朝鮮当局が、ロシアで働く自国の労働者に対し「韓国文化に接触するな」との指示を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。中朝、南北、米朝の首脳会談で浮かれ気味の自国民に対する引き締め策の一環と思われるが、現場からは反発が上がっている。

ウラジオストクの情報筋によると、指示が下されたのは南北首脳会談の開催が発表されてからしばらく経った先月24日のことだ。

当局は労働者を集めて開催した政治講演会で「反社会主義を剔抉(てっけつ、悪い部分をえぐり出すとの意)しなければならない」という布告文を配布した。この文書は、ナホトカ、ウスリースク、アルチョームの沿海州各都市や、ハバロフスクで働く北朝鮮労働者にも配布された。情報筋は、このように海外で働く労働者に布告文が配布されたのを初めて見たと語った。

「韓国のドラマ、映画、音楽など芸術関連の映像を視聴したり、流布したりすることは、反社会主義行為として厳罰に処するという内容だ」(情報筋)

北朝鮮当局は、海外に派遣した労働者を厳しい管理、監督の元に置き、自由な外出も許さない。ネットへのアクセスはもってのほかだ。

しかし、中国以外の国では比較的自由に行動できると言われている。それにはこんな背景がある。

「海外に派遣された労働者は皆、携帯電話を持っており、外部の仕事の打ち合わせをする過程で韓国のニュースに頻繁に接している」(情報筋)

北朝鮮当局は、労働者を指定された企業でのみ働かせ、外部との接触を遮断しようとしている。しかし現実には、労働者を監督する幹部と現地の企業が結託し、他の作業場に労働者を送り出している。労働者は派遣先で監視を受けないため、韓国のニュースにも自由に接することができるというわけだ。

このような状況を作り出したのは北朝鮮当局自身だ。当局は、ロシアで働く幹部、労働者に相当額の上納金を納めるように強いているが、その額は米ドルで提示されるため、下落の激しいルーブルでは額が増える一方だ。

決められたところだけで働いていては収入が確保できないため、他所でも働き、そこで韓国のニュースに接するという「悪循環」が起きているのだ。

今回の布告について、現場の労働者からは反発の声が上がっている。

従来の「非社会主義」よりさらに強い「反社会主義」という表現を使って厳罰を予告した今回の布告に対して、「元帥様(金正恩党委員長)が韓国芸術団を招請して公演までやらせたのに、今さら韓国文化を警戒せよとはふざけている」と反発している。

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