北朝鮮、外国人観光客受け入れ一時中止は「猛暑」のせい?

北朝鮮、外国人観光客受け入れ一時中止は「猛暑」のせい?

塩盆津ホテルの建設場を現地指導する金正恩氏(2018年7月17日付朝鮮中央通信)

北朝鮮は、今月11日から来月5日まで外国人観光客の受け入れを中止したことは、デイリーNKジャパンでも既報のとおりだ。その理由を巡り、中国の習近平国家主席の訪朝説など、様々な憶測が飛び交っていた。

ところが、北朝鮮の幹部が明らかにした理由は、なんと「猛暑」だ。

中国に派遣された北朝鮮の幹部は、朝鮮の外国人観光客受け入れ中止を巡り、外国人観光客の受け入れ中止の理由を次のように明かした。

「ひどい日照りと暑さで外国人観光客の受け入れができなくなった」(幹部)

最近の猛暑でわが国(北朝鮮)を訪れた外国人観光客がひどい目に遭っていると語ったこの幹部は「先月20日からの猛暑で、多くの外国人観光客が『北朝鮮には二度と来ない』と露骨に批判して帰っていった」と付け加えた。

北朝鮮はこの20年、深刻な電力難に苦しめられてきたため、電気を使う設備や施設が非常に限られている。外国人観光客の訪問先の中にも、ホテルや高級レストランを除けば依然としてエアコンがないところがほとんどだ。さらには、エアコンのないバスを移動に使うケースもあるという。中国からの援助で電力事情が改善し始めたのはごく最近のことだ。

それでもこれまでは、大きな問題にはならなかった。北朝鮮の夏は、エアコンなしでもなんとかしのげる程度の暑さだったからだ。ところが、今年は各地で40度超えとなるなど猛暑が続いた。これでは外国人観光客の受け入れに支障をきたす、というのが北朝鮮当局の考えなのだろう。

それ以外にも、猛暑のせいで「とても外国人に見せられない光景」が繰り広げられているという。

最近、平壌を訪問した情報筋は、猛暑のせいで川や湖から悪臭が立ち込め、息も詰まるような有様だと伝えた。平壌で最も外国人観光客を多く受け入れている羊角島(ヤンガクト)国際ホテルは、市内を流れる大同江(テドンガン)の中洲にあるが、悪臭の直撃を受けているもようだ。

つまり、「こんな状況が外国に知られれば、北朝鮮を訪れようとしていた他の観光客もよそに行ってしまうかもしれない」(情報筋)との心配から、「そういった事実を隠すための術策」として、受け入れを中止したというのが実情のようだ。

現在、外国人観光客が利用するホテルのそばの川や湖では、石灰を投入して脱臭作業を行ったり、中国から急遽取り寄せたエアコンの設置作業などを急ピッチで進めたりしているとのことだ。

米国の北朝鮮専門ニュースサイトであるNKニュースは、北朝鮮筋からの情報として「ホテルのリノベーションを行い、9月の観光シーズンに備える」ことが受け入れ中止の理由だと伝えたが、これはあながち間違っていなかったということになる。

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