北朝鮮の首都郊外で熱中症死者、わずか3日で39人

北朝鮮の首都郊外で熱中症死者、わずか3日で39人

デイリーNKジャパン

7月22日に最高気温35度を記録して以降、連日の猛暑日に苦しめられた北朝鮮の首都・平壌。今月1日には、最高気温が観測史上の37.8度を記録したが、わずか2日後の3日には37.9度に達し、記録を塗り替えた。

あまりの猛暑に、朝鮮労働党機関紙・労働新聞は「全国が立ち上がり高温と日照りの被害を防ぐための闘争を力強く繰り広げよう」と題した社説を1面に掲載したほどだ。

平壌の隣に位置し、北朝鮮の物流の中心となっている平城(ピョンソン)では、熱中症による死者が続出しているとデイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

市内の病院関係者によると、最高気温が35度に肉薄する猛暑となった先月28日から30日までの間に、平城医科大学病院、平城市病院、小児病院などに搬送された人だけで300人に達し、そのうち39人が死亡したという。

家の中や道端で倒れたお年寄りや、体の弱い人もいたが、猛暑の中で農場の「日照り対策戦闘」に動員され、重労働で倒れた若者も多くいたとのことだ。

北朝鮮の農場では井戸、水路、揚水機などが不足しているため、動員された人々は川や貯水池で水を汲み、農場まで運ぶ重労働を強いられた。睡眠も食事もまともに取っておらず、午前中の労働を終えた時点で体力を消耗し、疲労、無気力を訴える人が続出したという。

動員をかけた平城市人民委員会(市役所)も保健当局も、死者の身元確認をしただけで、補償や再発防止、動員の中断、熱中症防止の呼びかけなどの対策は一切行っていない。

ちなみに韓国では、最高気温が33度超が2日間を続くと猛暑注意報、35度を超えると猛暑警報が発令される。いずれも気象警報の一種だ。携帯電話には屋外での活動を控え、水分を十分にに摂取し、農作物や家畜などの管理で注意を呼びかけるエリアメールが送られる。

また中国では、最高気温が35度以上の場合は労働者に特別手当を支給し、最高気温が40度を超えると屋外での作業は中止させる義務が雇用主に発生するなど、猛暑から労働者を守るための規則が法律で事細かく決められている。また、熱中症になった場合は労災の対象となる。

北朝鮮にはそのような法律も警報もなければ、死んでも一何ら補償が行われない。そもそも、労働中の事故で死亡した人に対して補償が行われることがない。

人口28万の平城市で、それも3日間だけで39人の死者が出たということは、全国的にはより多くの死者が発生していることは間違いないだろう。暑さは幾分和らいだものの、今後しばらくは続くとの予報が出ている。

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