金正恩氏「最愛の妹」に忍び寄っていた異変…米朝決裂直後に兆候

金正恩氏「最愛の妹」に忍び寄っていた異変…米朝決裂直後に兆候

金与正氏(青瓦台提供)

北朝鮮の金正恩党委員長は2日、李雪主(リ・ソルチュ)夫人らとともに、軍人家族芸術サークル公演を鑑賞した。これを伝えた朝鮮中央通信の3日付の記事は、同行者の中に、革命化(再教育)のため強制労役に服しているとの説があった金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が含まれていることを明らかにした。

韓国紙・朝鮮日報は5月31日、対米交渉を統括していた金英哲氏がハノイでの米朝首脳会談(2月)が決裂した責任を問われ「解任後、強制労役と思想教育を受けている」と報じていたが、同氏が健在であることが確認されたわけだ。

朝鮮日報は、首脳会談の事前交渉に携わっていた金革哲(キム・ヒョクチョル)国務委員会対米特別代表が、同様の理由で銃殺刑になったとも伝えていたが、この情報の信ぴょう性もにわかに疑わしくなったと言えるかもしれない。

ただ、金英哲氏が金正恩氏の活動に同行したことは、彼が健在であることを示しているものの、何ら問責が行われなかったとは即断できない。

革命化は、重労働に不慣れな高級幹部が「骨と皮」だけにしてしまうような恐ろしいものでもあるが、最高指導者の指示により、短期間で終了する場合もあるからだ。

一方、朝鮮日報が「謹慎させられている」とした金正恩氏の実妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は、この日も姿を現さなかった。まさか金正恩氏が、最愛の妹を革命化のようなむごい状況に追い込むとはちょっと考えられない。むしろ、金与正氏を補佐する実務スタッフたちの身辺が気になる。

とはいえ、金与正氏の身に何の異変も起きていないと断定する材料もない。実際のところ、彼女の身に何かが起きているのではないかと思わせる兆候は、2月末の首脳会談決裂後のかなり早い段階で表れていた。

平壌では3月6〜7日に党宣伝活動家大会が開かれたが、この大会を主管したのは金与正氏が籍を置くとされる党宣伝扇動部である。部長を兼務する朴光浩(パク・クァンホ)党副委員長は、病気のためか長らく公の場に姿を現していない。そこで、もしかしたらこの大会で、金与正氏が中心的な役割を担い、国内における政治的な「格」をもう一段上げるかもしれないとも思ったのだが、それとはまったく逆に、大会への参加すら報じられなかった。

この大会が開催された当時はまだ、金与正氏の不参加はさほど大きな異変を思わせるほどのものではなかった。ただ、金正恩氏はこの大会に書簡を送り、「宣伝活動をもっと斬新に行え」と激を飛ばしている。このような新方針が伝達される場に、金正恩氏が信頼を置く実妹が姿を見せないというのは何となく気にかかっていた。

そこへ持ってきて「謹慎」報道などが重なってくると、大会不参加の事実も重く見えてくる。果たして金与正氏の身に、どのような「異変」が忍び寄っていたのだろうか。

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