文在寅の「真っ赤なウソ」から生まれた韓国軍の迷走

文在寅の「真っ赤なウソ」から生まれた韓国軍の迷走

板門店の韓国側地域で対面した金正恩氏とトランプ氏、文在寅氏(2019年7月1日付朝鮮中央通信)

1日午後、韓国空軍が江原道の非武装地帯周辺で鳥の群れを正体不明の飛行物体と誤認し、戦闘機を出動させる出来事があった。

韓国軍の合同参謀本部によれば、同日午後1時ごろ江原道(カンウォンド)中部の非武装地帯(DMZ)上空で正体不明の航跡がレーダーに捕捉され、KF-16戦闘機が発進。パイロットが肉眼で確認したところ、鳥の群れであることがわかったという。

これを一部の韓国メディアは「過剰反応」と伝えた。韓国では先月、北朝鮮の小型木造船が海軍や海洋警察の監視網に捕捉されないまま、東海岸の港に入港する事件があった。これで批判を浴びた軍が、世論の視線に対して過敏になっているというのだ。

しかし、もうひとつ解説を加えるなら、軍をいっそう過敏にさせているのは文在寅政権である。青瓦台は、小型船入港の詳細な状況を当初から把握しながら、軍が事態の矮小化を図るのを黙認したのだ。

というよりも、文在寅大統領が「隠ぺい」に加担していたとするなら、それ自体が軍の自浄作用を殺す最大の圧力として作用していると見ることもできる。

このように、世論と政治の板挟みになった軍の内部には、一部に政権に対する反発も見られる。

ただ、軍といえども行政機構の一部である以上、首脳たちは政治の意向に敏感にならざるを得まい。韓国ではこのようにして、軍事行政が政治によって捻じ曲げられる状況が長く続いてきた。

そしてより懸念すべきは、朝鮮半島は今なお、北朝鮮と米韓が対峙する軍事的緊張下にあるということだ。軍紀が乱れ、本格的な戦争には耐えられそうにない北朝鮮だが、だからこそ韓国の弱点を攻略すべく核、サイバー攻撃、特殊部隊といった「非対称戦力」の強化に力を注いできた。

先述したような、メディアの報道を通して日々明らかになる韓国軍の迷走ぶりは、北朝鮮にとって実に「おいしいネタ」であるわけだ。

結果的なことを言えば、韓国では政治と軍当局が、そうしたネタを率先して北朝鮮に提供するような状況が続いてきた。

文在寅政権はそれを「積弊(積み重なった弊害)」と呼び、その清算を売り物の一つとしてきた。ところが今や、自分自身がその一部となりつつあることを、本人たちはどれほど認識しているのだろうか。

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