外貨不足の北朝鮮、子どもたちを「アヘン栽培」に強制動員

外貨不足の北朝鮮、子どもたちを「アヘン栽培」に強制動員

三池淵群中興農場を現地指導した金正恩氏(2018年7月10日付朝鮮中央通信より)

国際社会の制裁により外貨不足に陥っていることが伝えられる北朝鮮。ありとあらゆる策を講じてはいるようだが、結局は手っ取り早い「クスリ」に手を出したようだ。

平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK情報筋によると、道内の高級中学1〜2年生(14〜15歳)の生徒の大半が、両江道(リャンガンド)、咸鏡道(ハムギョンド)の大規模なアヘン農場に動員されたと伝えた。彼らは、農場で朝鮮労働党と教師の指示に従ってアヘンのエキスを取ったり、アヘンの花を乾燥させて粉末にしたりする作業に従事させられている。

アヘンの原料であるケシは毎年6〜7月に花が咲く。花が散った後になる実(ケシ坊主)が完全に熟す前の8月に、実に傷をつけると乳液状の物質が出てくる。それをかき集めた上で、60度以下の温度で加熱加工すると、ベトベトした茶色の塊となるが、これを「生アヘン」と呼ぶ。つまり、生徒たちはこのような「ヘラ掻き」の作業をやらされているというわけだ。

北朝鮮は1980年代から金正日総書記の指示で「白桔梗(ペクトラジ)事業」と称し、咸鏡道、両江道、慈江道(チャガンド)などの北部山間地域に大規模なアヘン農場を作り、アヘンを栽培していた。

農民たちは貧しさから逃れるため、国から言われるがままに、アヘン栽培に手を出したが、その見返りとして約束されたはずの食料配給は届かず、多くの農民が餓死した。

その後、アヘン栽培は廃止されたが、昨今の制裁による外貨不足を受け、再開されたものと思われる。

アヘン栽培そのものも大問題だが、さらなる問題はそこに、多くの子どもたちが動員されていることだ。北朝鮮は憲法で、労働可能年齢を16歳としているが、国家が自らがそれを破っている形となる。

国連子供の権利委員会は2009年、北朝鮮が子どもたちをアヘン栽培に動員しているとして、人権侵害行為の改善を勧告している。2016年の5回目の報告書に対して北朝鮮は「児童労働ははるか以前に根絶された」「理論と実務を結合するために、現地実習を組み合わせて、学生が農場や工場を訪問している」と主張した。

子どもたちが動員されているのは、アヘン栽培だけではない。

黄海南道(ファンヘナムド)の情報筋は、道内の三泉(サムチョン)にある農場に生徒たちが20日間も寝泊まりさせられ、葉タバコの収穫をさせられていると伝えた。収穫は今月10日ごろから始まり、学校ごとに割り当てられたノルマを達成するために、収穫、運搬、乾燥などの作業に当たっている。9月に入ると、タバコの背が高くなるので、大学生が動員されるとのことだ。

動員された生徒たちは自分たちが食べる分の食糧を持参しなければならないが、それができない生徒たちのために学校側は、金持ちの生徒から動員免除と引き換えに、6万北朝鮮ウォン(約780円)を徴収している。つまり、そのカネを貧しい生徒たちの食費にあてるのだ。

情報筋は「三泉郡は金持ちより貧乏人が多く、農村支援に行かされるたびに食べ物を確保するだけのカネがなく心配する人が多い。結局は、他の生徒からもらったものを食べたり、農場が補助せざるを得ない。今年は去年より状況が悪く、教師たちも心配ばかりしている」と語っている。

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