「骨と皮だけの女性兵士」を禁断の行為に走らせる北朝鮮軍の内幕

「骨と皮だけの女性兵士」を禁断の行為に走らせる北朝鮮軍の内幕

北朝鮮軍女性中隊を視察した金正恩氏(2019年11月25日付朝鮮中央通信より)

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋によれば、今年の8月にこんな事件が起きた。朝鮮人民軍(北朝鮮軍)252旅団3大隊1中隊1小隊2分隊に所属する兵士が、金正淑(キムジョンスク)郡の新上里(シンサンリ)にある農場の畑に忍び込み、トウモロコシを盗もうとしていた。

しかし、折しも多発するトウモロコシ泥棒に備え、警戒にあたっていた農場の警備員に取り押さえられ、あえなく御用となった。連行された兵士はその窮状を訴えたという。

性的虐待が横行

「部隊ではトウモロコシの皮を取らないままに粉にしたもの以外、食べ物をもらえない。それすらも決められた量が配給されず、腹が減って夜も眠れない」

最近の北朝鮮からは、こうしたエピソードが次から次へと漏れ伝わってくる。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によれば、道内の清津(チョンジン)市に駐屯する高射銃部隊の女性兵士たちが、飢えに苦しんだ挙句、民家から盗みを働き、大問題になった。

舞台となったのは道内の穏城(オンソン)郡だ。情報筋によれば、問題の女性兵士らはひどい栄養失調に陥り、体調を回復させるため一時的に隊を離れ、師団が管理する現地の農場に派遣されていたという。

「女性兵士らは栄養失調でやつれ、ほとんど『骨と皮』だけに近い状態だったようだ。最初は地域住民に食べ物を分けてもらっていたが、それが出来なくなると盗みを働くようになった」(情報筋)

軍における食糧不足は、非効率的な協同農場の運営、劣悪な道路事情による輸送時のロスに加え、軍幹部による横領も一因だ。幹部は国からまともな給料が支給されないため、兵士向けの食糧を横領、横流しすることで現金収入を得ている。

これに加え、軍内部では女性兵士への性的虐待が横行しており、脱走事件も多発している。

さらに最近では、軍と農民の対立という、社会の新たな火種も生まれている。

稲刈りのシーズンになると、軍は食糧を確保するために、各地の協同農場に部隊を展開する。平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋によれば、現地の軍幹部らは「今年の作況はよくないが、軍糧米は何が何でも確保しなければならない、手段を選ぶな」と指示。それを受けて食料確保担当の糧食参謀は、農民が軍に納める軍糧米をちょろまかさないように、兵士を多数動員して監視に当たらせているのだ。

軍は、食糧の多くを協同農場からの供給に頼っているが、凶作で収穫量が少ないので、確保を指示されたノルマを満たすために、必死になっているということだ。そうせねば、腹をすかせた兵士たちが協同農場や民家を襲撃したり、国境を超えて中国で盗みを働いたりする事態になりかねない。

しかし、あまりに強引なやり方のせいで、トラブルが続発。別の情報筋によると、道内の平城市の慈山(チャサン)協同農場では、軍糧米の徴収にやってきた糧食参謀と、農場の幹部との間で乱闘騒ぎに発展したという。

北朝鮮の軍は兵員数120万人と、総人口(約2500万人)に比べ巨大である。この巨大集団の「飢え」がいっそう深刻化すれば、社会を根本から揺るがす大事件も起きかねないだろう。

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