【ニュースの核心】トランプ氏のロシア疑惑「シロ」は日本に吉報、中国・北朝鮮には凶報…

ドナルド・トランプ米大統領のロシア疑惑は「シロ判定」 中国と北朝鮮には凶報か

記事まとめ

  • ドナルド・トランプ米大統領を巡るロシア疑惑は「シロ判定」となった
  • トランプ政権は一貫して「疑惑は根拠のないフェイク(偽)報道」と反発していた
  • トランプ氏の失脚を期待していた北朝鮮と中国にとっては凶報となった模様

【ニュースの核心】トランプ氏のロシア疑惑「シロ」は日本に吉報、中国・北朝鮮には凶報…

【ニュースの核心】トランプ氏のロシア疑惑「シロ」は日本に吉報、中国・北朝鮮には凶報…

安倍首相

 ドナルド・トランプ米大統領をめぐるロシア疑惑は「シロ判定」だった。これは日本にとって吉報だ。逆に、トランプ氏の失脚を期待していた北朝鮮と中国にとっては間違いなく凶報である。

 ウィリアム・バー司法長官は24日、2016年の大統領選挙で「トランプ陣営がロシアと共謀した事実は立証できなかった」という、ロバート・モラー特別検察官の調査結果を議会に報告した。

 大統領による司法妨害についても、特別検察官は判断を避けたが、司法長官は「大統領が罪を犯した証拠は十分でない」と結論づけた。

 トランプ政権は一貫して「疑惑は根拠のないフェイク(偽)報道」と反発してきたが、特別検察官による徹底捜査によっても犯罪を立証できなかったとなると、主流派マスコミや野党、民主党の分が悪い。

 安倍晋三首相が関与した証拠がないのに、野党が大騒ぎした日本の「モリカケ騒動」とそっくりだ。

 日本では、安倍政権を批判する勢力が、そのままトランプ政権を批判している。彼らはまず、トランプ政権の北朝鮮や中国との対決姿勢が気に入らない。「対話で問題解決を」などと寝言を言う。

 国境に壁を作るのも気に入らない。「弱者を締め出すな」ときれいごとを言う。だから、心の底ではトランプ氏の失脚を期待していたはずだ。ついでに、トランプ氏と緊密な関係を築いた安倍外交も批判できれば、もっと好都合だったのだろう。

 残念ながら、徹底捜査した特別検察官と司法長官が「シロ」と言うのだから、そんなもくろみは完全に外れた。

 ロシア疑惑の展開がどうであれ、私はトランプ氏の政治的立場が強くなった点を歓迎する。なぜなら、北朝鮮の日本人拉致問題にせよ、東アジアにおける中国の傍若無人な振る舞いにせよ、日本は強固な日米同盟によってしか国益を守れないからだ。

 ここは、日本人がよくよく考えるべきポイントである。

 いくら野党や左派マスコミがトランプ氏が嫌いでも、日本は米国との同盟関係なくして平和と繁栄を維持できない。中国ひとつとっても、国土と人口、経済規模、軍事力からみて、日本は自分だけで中国に対抗できない。

 拉致問題の解決も、トランプ政権が圧力を加えるなかで、北朝鮮が態度を変えるかどうかにかかっている。そんな米国と世界で最高の友好関係を築いたのは、安倍政権の最大の成果である。

 もともと、ロシア疑惑など、日本にとっては米国の司法当局に任せておけばいい問題だ。結論がシロだったのだから、結構なことではないか。繰り返すが、私の判断基準は「日本の国益にとって、シロとクロのどちらが都合がいいか」だけだ。

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と、中国の習近平国家主席には、ショックだったに違いない。2人ともトランプ氏の足元が揺らいで、自分の立場が強くなるのを望んでいたはずだ。ご愁傷さまである。

 これで、2020年の米大統領選挙でも、トランプ氏には有利な材料になった。今度は正恩氏と習氏が自分の足元を心配する番だ。彼らは、いつまで生き残れるのだろうか。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア−本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『明日の日本を予測する技術』(講談社+α新書)がある。

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