エリザベス女王、「10月末の離脱の実現」を優先課題とする施政方針発表

 【ロンドン=板東和正】英議会が14日、新会期を開始し、エリザベス女王がジョンソン政権が起草した施政方針を読み上げた。女王は、10月末の欧州連合(EU)離脱の実現が優先課題だと指摘。ジョンソン首相は、EUと離脱条件で合意する円満な離脱に向けて交渉を進めているが、交渉が決裂しても10月末の離脱を断行することが懸念され、混乱必至の「合意なき離脱」に陥る恐れもある。

 施政方針演説は、慣習として、与党政権が掲げる政策を国家元首である女王が議会で発表する。14日の演説では、農業や漁業、貿易の分野で、離脱を見据えた新たな制度の実現を目指すと説明。英国に貢献するEU加盟国からの移民の権利を守る方針も示した。ただ、演説は合意なき離脱で起こる経済への影響に触れておらず、野党議員から「離脱を楽観視しすぎだ」との批判が相次いでいる。最大野党・労働党のコービン党首は14日、演説の内容を「茶番だ」と一蹴した。

 野党議員が批判を強めるのは、ジョンソン氏がEUと離脱条件で合意しなくても、10月末の離脱を諦めないとの見方があるためだ。 ジョンソン氏は17〜18日のEU首脳会議でEUと新たな離脱協定案で合意できれば、通常は審議をしない土曜日の19日に議員を招集。英議会で合意した協定案の是非について採決する。ただ、円満な離脱に向けたこれらの手続きが順調に進むかどうかは不透明だ。

関連記事(外部サイト)