シリア政権側、IS「首都」に進軍 トルコ・米は会談へ

 【カイロ=佐藤貴生】トルコのシリア北部への攻撃を受け、少数民族クルド人勢力との合意に基づき進軍している同国のアサド政権は16日、北部ラッカに入ったもようだ。ラッカはイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が「首都」に定め、クルド人勢力が2年前に奪還した町。シリア人権監視団(英国)によると、ロシア軍は同日、シリア北部国境のアインアルアラブ(トルコ名コバニ)周辺に到達した。

 ロイター通信が伝えた。アサド政権軍とトルコ側との衝突が懸念される中、ロシアの存在感が強まっている。一方、ペンス米副大統領とポンペオ米国務長官は17日、トルコでエルドアン大統領らと会談し、攻撃停止を求める見通しだ。

 アサド政権側は15日、シリア北部の拠点マンビジに進軍している。トルコが設置を計画している「安全地帯」の枠内にあり、北部を東西に走る高速道路が通る物流の拠点だ。

 エルドアン氏はプーチン露大統領に対し、ロシアやアサド政権がマンビジでテロ組織を一掃しなければ「住民は私たちに保護を求めるだろう」と述べて牽制(けんせい)したことを明らかにした。露大統領府によると、エルドアン氏は今月下旬にも訪露する可能性がある。

 一方、フランスのフィリップ首相は16日、同国のルドリアン外相がイラクを訪問すると述べた。

 シリア北部では、クルド人主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)の収容施設からISの元戦闘員らが脱走しているとされ、仏などは一部の収容者をシリアから移送し、裁きを受けさせる可能性を検討しているもようだ。ルドリアン氏は13日に仏の女性9人が脱走したと述べ、「可能であれば、彼女たちは(イラクで)裁かれるべきだ」との見方を示した。

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