【パリの窓】ワインと地球温暖化

 秋の週末、ブルゴーニュ地方のコートドールを訪れた。フランス語で「黄金の丘」という意味で、ロマネ・コンティやシャンベルタンといった名酒の産地。収穫を終えたブドウ畑で、赤や黄の紅葉が輝く。

 今年の夏は40度を超え、記録的猛暑となった。ワインは大丈夫なのかと農家の若者に聞くと、「糖度が上がって早くつんだから、実の量は少ない。でも、味はいいはずだよ」と言う。

 地球温暖化は世界的な業界の課題。フランスでは産地ごとにブドウ品種が決められているが、国内一の大産地ボルドーは気温上昇に伴って今夏、新たに7種の使用を認めた。スペインやポルトガルで栽培されるカビ病に強い種で、来年から植樹が始まる予定という。

 ブルゴーニュのブドウは原則、赤はピノ・ノワール、白はシャルドネだけ。農家の彼は「品種変更なんて冗談じゃない。味が変わっちゃうよ」と言う。ボルドーに比べ、ここの畑はみんな小さく、都会の校庭ほどの広さ。その分、職人気質も強い。酒造りが本格化して約900年、人智と技で悪天候を克服してきた。

 ホテルに戻った後、きき酒師のオーナーが「とっておきだよ」と、有名な作り手の白ワインを試飲させてくれた。産地で飲むとなぜか一層おいしく感じる。爽やかな丘の風を含んでいるからだろうか(三井美奈)

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