WTO、約3900億円相当の報復関税承認 中国要請の米製品への措置

 【ロンドン=板東和正】世界貿易機関(WTO)は1日、米国が通商紛争でのWTO判断を順守していないとして、中国が要請していた米製品に対する報復措置を承認した。WTOが認めた報復関税は、年間最大で約36億ドル(約3900億円)。オバマ前政権時の案件で、現在の貿易摩擦と直接の関係はないものの、米中関係に新たな緊張をもたらすと懸念されている。

 中国は2013年、米国が中国製の太陽電池や機械製品などに課している反ダンピング(不当廉売)措置は不当だとしてWTOに提訴。提訴を受けて、WTOの紛争処理小委員会(パネル)は16年、米国の措置は不当との判断を下した。

 しかし、米国はその後、是正措置に応じなかったことから、中国は昨年9月、年間約70億ドル(約7600億円)の報復課税の承認をWTOに求めていた。これに対し、米国が反論し、仲裁手続きに進んでいた。

 WTO協定は、紛争処理で相手国がWTOの判断に従わない場合、当事国はWTOの承認を得た上で報復措置をとることができると定めている。WTOは1日、中国が要請した報復関税のおよそ半額を妥当とする仲裁決定を発表した。

 米中は「第一段階」の貿易協定の署名に向けた交渉を進めているが、今回の措置によって貿易摩擦の解消が遅れる可能性もある。

 一方、韓国による日本製バルブへの反ダンピング措置の案件をめぐっても、WTOは韓国側の協定違反を認定した。韓国政府は反発する姿勢を示している。

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