英総選挙にトランプ発言波紋 「ジョンソン氏とファラージ氏が組めばいい」

 【ロンドン=板東和正】英国の欧州連合(EU)離脱が争点となる12月12日の総選挙をめぐり、ジョンソン首相とEUが合意した離脱協定案を批判したトランプ米大統領の発言が英国内で波紋を広げている。トランプ氏は、4月に旗揚げされたEU離脱を訴える新党「離脱党」とジョンソン政権の共闘も訴えており、選挙干渉との反発も起きている。

 トランプ氏は10月31日、英国のロンドン放送(LBC)に電話出演し、親交がある離脱党のファラージ党首と対談した。トランプ氏は対談で「私たちは英国との貿易を望んでいる」とした上で、ジョンソン氏がEUと合意した協定案では「米英は通商協定を締結できなくなり、貿易もできない」と指摘した。その上で、ジョンソン氏がEUと決別できれば「米英間で今より何倍もの取引ができる」と話した。トランプ氏は協定案を問題視する具体的な理由は明かさなかったが、協定案に記された英領北アイルランドの関税手続きが当面、EUルールに従うとする内容を暗に批判した可能性がある。

 さらに、トランプ氏は対談で、最大野党・労働党のコービン党首を「英国をとても悪い方向に導く」と批判。「(総選挙で)ジョンソン氏とファラージ氏が組めばいい。誰にも止められない力を発揮でき、とても素晴らしいことになる」と話した。これを受けて、ファラージ氏は11月1日、ジョンソン政権に対し、協定案を撤回した上で、総選挙で離脱党と連携するよう訴えた。これらの要求に応じなければ、総選挙で全議席を争う姿勢を強調した。

 一方、英首相官邸は「英国はジョンソン氏の協定案で世界中の国と個別に通商協定を結べる」とトランプ氏の発言に反論。ジョンソン政権はファラージ氏の提案を拒否する方針を示した。ただ、保守党内部はジョンソン氏と蜜月にあるとみられたトランプ氏からの批判に困惑しているようで、同党関係者は「トランプ氏の発言は総選挙を混乱させかねない」と指摘した。コービン氏も「トランプ氏は英国の選挙に干渉しようとしている」と批判した。

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