教皇、訪日空路で中・台・香港に電信 デモ言及なし 中国に配慮か

 【パリ=三井美奈、台北=田中靖人】ローマ教皇(法王)フランシスコは23日、タイから空路日本に向かう際、上空を通過した中国、台湾、香港の指導者にそれぞれ親善メッセージを送った。香港のデモには言及せず、バチカン(教皇庁)が関係改善を進める中国への配慮をにじませた。

 教皇は外遊で上空を通過する際、指導者にメッセージを送るのが習わし。中国には習近平国家主席宛てに「国家と国民のために祈る」と明記。香港には林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官に宛てて、「神が幸福と平和をもたらすよう祈る」と記した。台湾の蔡英文総統には「すべての台湾の人たちのために祈る」と書き送った。

 蔡氏は「誠意あるあいさつと祝福に感謝し、教皇の訪日が順調に進むことを祈ります」と返信した。教皇はベトナムのグエン・フー・チョン国家主席にもメッセージを送った。

 教皇のタイ、日本歴訪は、バチカンが昨年9月に中国と司教任命権をめぐる暫定合意を結んで以来、初のアジア訪問となった。バチカンは、中国とは共産党政権発足に伴って国交を断絶。欧州で唯一、台湾と外交関係を維持してきたが、教皇フランシスコは台湾との関係を維持したまま、中国との対話路線に転じた。

 香港では長年、キリスト教聖職者が中国の宗教弾圧にあらがい、民主化運動を支えてきた。今回の訪問を前に信者の一部はインターネット上で、デモの人道的解決に向けて教皇の介入を求める署名運動を行っていた。

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